アイ・ティ・アール(ITR)は2023年7月18日、国内のワークフロー製品市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は、前年度比13.4%増の110億円に達した。提供形態の違いでは、パッケージ市場が前年度比マイナス3.9%と縮小したのに対し、SaaS市場は同32.6%増の高い伸びを示した。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のワークフロー製品市場における規模の推移と予測を発表した。2022年度の売上金額は前年度比13.4%増の110億円に達した。2023年度の市場も同12.7%増を予測している(図1)。同市場のCAGR(年平均成長率、2022~2027年度)は12.7%で、2027年度には200億円に達すると予測している。
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同市場の拡大を後押しする要因として、リモートワークの普及に伴うワークフローシステムの新規導入やシステム拡張が進んでいること、さらに、意思決定のスピードアップ、ペーパーレス化/働き方改革の推進、内部統制の強化などのニーズを挙げている。
パッケージとSaaSの提供形態で比較すると、2022年度のパッケージ市場は前年度比マイナス3.9%と縮小したのに対し、SaaS市場は同32.6%増の高い伸びを示した。主要ベンダーがSaaSでの提供に注力しており、SaaSが2023年度は市場全体の6割強を占め、2027年度には約8割にまで拡大する見込み。CAGR(2022~2027年度)も、パッケージ市場はマイナス3.5%、SaaS市場は21.1%を予測している。
「RPAやローコード/ノーコード開発などと合わせ、業務の自動化を実現する手段としてワークフローシステムの新規導入やクラウドシフトによる導入が進んでいる。今後は、単純な申請・承認プロセスの電子化だけでなく、ERPやドキュメント管理システムなど、各種業務システムと連携させた業務プロセスの自動化を目的に、ワークフローシステムの適用範囲が拡大する」(ITR)
今回の発表は、ITRの市場調査レポート「ITR Market View:RPA/iPaaS/ワークフロー市場2023」に基づく。同レポートは、RPA、iPaaS、BPM、BRMS(業務ルール管理システム)、ワークフロー、タスクマイニング、プロセスマイニングの全7分野を対象に、国内54ベンダーへの調査による2021~2022年度売上実績および2027年度までの売上予測を掲載している。