NTTコミュニケーションズ、東京ロボティクス、NHN テコラス、E-MARKの4社は2023年9月26日、データセンターにおけるIT機器の運用保守業務にリアルタイム遠隔制御ロボットを活用する実証実験を同年10月に始めると発表した。実験では、NHN テコラスが商用環境として運用しているデータセンターのIT機器を対象に、運用保守業務におけるロボットの有効性を検証する。
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、東京ロボティクス(東ロボ)、NHN テコラス、E-MARKの4社は、データセンターにおけるIT機器の運用保守業務にリアルタイム遠隔制御ロボット(以下、テレプレゼンスロボット)を活用する実証実験を2023年10月から2024年3月まで実施する(写真1)。
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実験では、NHN テコラスが商用環境として運用しているデータセンターのIT機器を対象に、運用保守業務におけるテレプレゼンスロボットの有効性を検証する。表1の内容を検証する。表2は実験に参加する各社の役割である。
検証内容 | 詳細 |
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故障・トラブル発生時の駆け付け | システムに故障・トラブルが発生した際に、従来の駆けつけに代わり、保守拠点からデータセンターへ配置したテレプレゼンスロボットにアクセスし、遠隔操作により1次切り分けを実施する。また、1次切り分け実施時の映像を録画データとしてクラウドに保管する |
現地作業の事前事後確認 | メンテナンス作業実施の前後で行っている確認作業を、テレプレゼンスロボットを用いて行う |
遠隔からのサポート作業 | 現地作業において、熟練作業者のサポートが急遽必要となった場合に、保守拠点の熟練作業者がテレプレゼンスロボット経由で現地とコミュニケーションを図り、対応を迅速化する |
定期巡回 | テレプレゼンスロボットに巡回予約を設定し、早朝、夜間帯などに自動で監視対象の機器を確認する |
「データセンターの運用保守業務には、品質の高い保守・点検作業と故障発生時の迅速な復旧作業が求められる。一方、需要の増加などの要因から、運用保守を担当する人材の確保が困難な状況にある」(4社)
この問題を解決するため、エンジニアが自宅やオフィスの遠隔からデータセンター内で保守運用作業を行えるロボットを開発した。データセンター事業者・運営企業は、専門知識を持ったエンジニアを、働く場所や地域の制約なく雇用可能になる(画面1)。
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テレプレゼンスロボットは、NTT Comと東ロボが開発した。以下は主な機能である。
- 搭載カメラによるサーバーの状態監視
- ロボットアームによる撮影位置・角度の調整
- 地図機能と連携した自律移動
- アイルコンテインメント入出口開閉
- 自動巡回
- 遠隔操作に必要なセキュアな通信
- オペレーター用操作に特化したGUI
事業者 | 内容 |
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NTT Com |
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東ロボ |
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NHN テコラス |
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E-MARK |
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