[事例ニュース]

日本特殊陶業が統合データ基盤を構築、生成AIによるSQL作成でデータ分析を容易に

BigQueryによるデータ基盤で、コード生成AI「Vertex AI」を活用

2023年11月13日(月)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

NGKスパークプラグで知られる総合セラミックスメーカーの日本特殊陶業(本社:愛知県名古屋市)は、Google BigQueryを中心とした統合データ基盤を構築した。合わせて、データ基盤を有効に活用するため、生成AIを使ってSQLを生成する仕組みを構築。データ分析と可視化のハードルを下げ、事業部門がデータを容易に分析できる環境を整備した。グーグル・クラウド・ジャパンが2023年11月13日、公式ブログで発表した。

 愛知県名古屋市に本社を置く日本特殊陶業は、「NGK」ブランドのスパークプラグのメーカーとしてグローバルで広く知られている総合セラミックスメーカーである(画面1)。

画面1:日本特殊陶業は、NGKスパークプラグで知られるグローバルメーカーである

 今回、同社はGoogle BigQueryを中心とした統合データ基盤を構築した。特徴として、データ基盤を有効に活用するため、Google Cloudのコード生成AI「Vertex AI」を導入してSQLを自動作成する仕組みを開発している(図1)。

図1:日本特殊陶業が構築した統合データ基盤のシステム構成(出典:グーグル・クラウド・ジャパン)
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複数のデータ分析ツールのサイロ化、社内開発スキル不足に課題

 日本特殊陶業では以前より、社内のデータ基盤やデータ活用に関していくつかの課題を抱えていた。「複数のデータ可視化/分析ツールを導入していたが、これらのツールは機能や使い勝手にばらつきがあった。また、多くのツールはデータをローカルにダウンロードするためだけに使われ、データをプログラムで整形して活用する文化が育っていなかった」という。

 また、分析用のデータ処理やダッシュボードの開発を、つど外部のベンダーに発注するケースが多く、社内に開発スキルを有したメンバーが少なかった。そのため、手元にあるデータの見方を少し変えてみたり、粒度を変えてみたりといった検証を容易に行えなかった。

 ライセンス管理や業務フローも非効率に陥っていた。システム独自でライセンス管理をしているものも多く、権限設定、ライセンスの更新、ユーザー棚卸作業などに多くの時間を要していた。また、多くのシステムはオンプレミス環境に構築しており、海外拠点からのデータの取得は国内の担当者に都度共有してもらうなど、非効率な業務フローとなっている領域もあったという。

 これらの問題を解決するため、統合データ基盤の構築を決定し、検討の末にGoogle Cloudプラットフォームを採用した。BigQueryが、大規模なデータセットの高速な分析が可能で、ビッグデータ処理の要求に応えられる処理能力とスケーラビリティを備えていること、「Looker Studio」を使ったデータの可視化機能を評価した。

 また、同社では2014年よりGoogle Workspaceをグループウェア/情報共有基盤として導入し、部門のメーリングリストによるドライブのアクセス権限管理など、Googleアカウントを使用した権限管理がすでに実装されていたという。「既存のユーザーアカウントやプロセスの再設定が不要となり、 Google Cloud を導入ハードルが低い状態で使い始めることができた」(同社)という。 

●Next:導入したGoogle Cloudサービスと生成AIによるSQL自動作成の効果

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