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[事例ニュース]

自動車部品のジヤトコ、データバックアップシステムを刷新、データ量の増加に低コストで追従

バックアップソフト「Veeam」とストレージの組み合わせでTCOを4割削減

2023年12月4日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日産自動車グループの自動車部品メーカー、ジヤトコ(本社:静岡県富士市)は、設計、テスト、調達、生産、販売、財務などのデータを保護するデータバックアップシステムを刷新し、2022年5月より運用している。アプライアンス型バックアップ製品の保守切れのタイミングでヴィーム・ソフトウェア「Veeam Data Platform」とネットアップ製ストレージの組み合わせに切り替えた。刷新の効果として、2026年時点で約40%のTCO削減を見込む。ヴィーム・ソフトウェアが2023年11月29日に発表した。

 ジヤトコは、自動車のオートマチックトランスミッション(自動変速機)や電動パワートレインを開発・製造するメーカーである。設計、テスト、調達、生産、販売、財務などの一連のデータを重要資産とする同社は、事業継続、法令や規格への順守、品質管理や製品トレーサビリティなどの強化を目的に、データバックアップシステムを刷新した(図1)。

図1:ジヤトコのITシステムと、新たに構築したバックアップシステムの構成(出典:ヴィーム・ソフトウェア)
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 これまで、バックアップソフトウェアとストレージが一体のアプライアンス型のシステムを運用していた。この種のシステムでは、バックアップデータ量が増えたときに、アプライアンス単位で増設する必要があり、サイジング(容量設計)の自由度が低く、投資計画に影響を与えることが課題だった。

 そこで、VMware仮想サーバーで動作するバックアップソフトとオンプレミスで動作する外部ストレージを組み合わせたバックアップシステムへの刷新を計画。バックアップソフトにヴィーム・ソフトウェアの「Veeam Data Platform Foundation Edition」を、外部ストレージにネットアップ(NetApp)を採用。2021年7月に移行を開始した(関連記事:ヴィーム、「Veeam Backup & Replication v12」をリリース、書き換え不能ストレージやオブジェクトストレージにバックアップ可能に)。

 バックアップ対象はシステム全体(サーバー約500台)のうち約200台で、これらを日次でバックアップしている。バックアップデータ容量は2021年7月の時点で40TB、5年後の想定が60TBに定めた。ストレージは今後、クラウドストレージ「Microsoft Azure Storage」の導入も計画している。

 2022年5月~7月の3カ月間で、保守サポートが終了した旧アプライアンスから順次、新システムに切り替え、旧アプライアンスは同年8月に稼働を終えている。

 バックアップシステムの刷新効果として、2026年時点(2021~2026年、2023年以降は想定額)で、従来システムの実績値(2015~2020年)と比べて約40%のTCO削減を見込む。新旧システムで初期費用に大きな差異はないが、ストレージの追加費用とハードウェア保守費用が減らすことができたという。

 また、新バックアップシステムでは、全データを一度に戻すフルリストアだけでなく、指定したファイル単位でのリストアが可能になった。事業部門のデータ復旧ニーズに迅速に対応できるようになったとしている。

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ジヤトコ / 製造 / Veeam Software / NetApp / 自動車 / 静岡県 / 富士市

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