日本IBMは2024年1月9日、中部国際空港(セントレア、愛知県常滑市)において、AI搭載ロボットを活用した空港警備業務の実証実験を行うと発表した。現場の警備担当者が携わる警備業務の一部をAI搭載ロボットで代替可能かを検証する。AI搭載ロボットには、米ボストン・ダイナミクスが開発し、東北エンタープライズが国内提供する4足歩行ロボット「Spot」を用いる。同年1月18日~19日、2月15日~16日の2回に分けて実施する。
日本IBMは、中部国際空港(セントレア、愛知県常滑市)において、AI搭載ロボットを活用した空港警備業務の実証実験を行う。現場の警備担当者が携わる警備業務の一部をAI搭載ロボットで代替可能かを検証する。
警備人材が不足する中で、空港における警備業務の内容・負担を整理したうえで、実証を通じてロボットで代替可能な業務を調査し、効果を検証する。合わせて、警備時にロボットが収集するデータを基に警備業務を高度化する方法を調査する。
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実証実験は、空港制限エリア(中部国際空港島の西側護岸と北側場周フェンス、写真1)と、旅客ターミナルビル(駐車場連絡通路、海上連絡通路、降車レーン)を対象に、2024年1月18日~19日、2月15日~16日の2回に分けて実施する。AI搭載ロボットには、米ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)が開発し、東北エンタープライズが国内提供する4足歩行ロボット「Spot」を用いる(写真2)。
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空港制限エリアでは、場周フェンスと護岸上の目視確認をAI搭載ロボットで代替可能かを調査する。代替する目視確認の内容は、設備の破損・劣化、不審者の有無、護岸に接近する船舶の有無、鳥類の有無の4つ。
旅客ターミナルビルの連絡通路では、自動走行可能/不可能、不審物(荷物置き去り)の検知、関係者が歩行中のAI搭載ロボットの自動走行、一般人のAI搭載ロボットへの社会的受容性の4項目を検証する。降車レーンでは、公道上の自動走行または横断歩道を渡る自動走行について検証する。
日本IBMによると、空港などの警備業務は天候や気温に関係なく24時間体制で実施。危険の検知、不審物の発見、瞬時の判断などを行うため、警備担当者には十分訓練されたスキルと経験が求められる。労働環境の負荷が高いことから、警備人材の不足が課題になっているという。