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「exaBase 生成AI」がナレッジへの取り込み/連携を強化、Word/Excel/Boxなどに対応へ

「生成AIは活用を促進しないと使われなくなる」ことが調査で判明

2024年2月9日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

エクサウィザーズ子会社のExa Enterprise AIは2024年2月8日、説明会を開き、法人向けChatGPTサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」の開発ロードマップを発表した。生成AIの定着化やより高度な活用を支援する機能を追加していく。例えば、社内文書をナレッジに取り込むRAGの手法において、より多くの種類の社内文書を扱えるようにする。Boxで管理するファイルを取り込めるようにするほか、Excel/Word文書の取り込みにも対応する予定である。

 エクサウィザーズ子会社のExa Enterprise AIの「exaBase 生成AI powered by GPT-4」は、Azure OpenAI ServiceのChatGPTを用いた法人向け生成AIサービスである。Azure OpenAI Serviceの東日本リージョンを稼働基盤にして、大規模言語モデル(LLM)のGPT-4/GPT-3.5 Turboを切り替えて利用できる。

 「業務で生成AIを活用する際に必要なセキュリティレベルや管理機能群を網羅している」(同社)としている。具体的には、入力データを学習に使用せず、クラウドに保存もしない仕組みや入力禁止ワードやカード番号などの機密情報をブロックする機能などを備える。生成AIによる業務効率化の効果を測定してレポートを生成する機能も提供する(図1)。

図1:企業が利用する上で必要になるセキュリティ機能群を備える(出典:Exa Enterprise AI)
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 説明会では、exaBase 生成AIの開発ロードマップを説明した。開発では、生成AIの定着化やより高度な活用を支援する機能に注力しており、これらの強化を図っていく。例えば、社内文書の内容をナレッジに取り込むRAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成)において、より多くの種類の文書を扱えるようにする。

 また、プロンプトのテンプレートや、プロンプトを組織内で共有したり、ワンクリックで指示を出せる機能のほか、プロンプトで指示を出すのとは逆に、生成AI側から話しかけてくるアプローチも検討しているという。

 サービス自体の強化と合わせて、導入と利用促進を支援するコンサルティングや研修サービスなどを提供する。その際、生成AIの導入計画・目標設定を支援するフレームワークを用意するという。

Excel/Word文書を参考に回答を生成、Boxとも連携

 図2は、上述のRAGにおいてより多くの種類の社内文書を扱えるようにする取り組みをまとめたものである。

図2:社内文書を取り込む手段や取り込めるファイル形式を拡大する(出典:Exa Enterprise AI)
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 exaBase 生成AIの現行サービスでは、管理者が事前に社内文書をアップロードすることで、これらの内容をナレッジに取り込んだ応答や生成を行える。対応するファイル形式はPDF、CSV、テキストの3種類である(図3関連記事エクサウィザーズ、「exaBase 生成AI」で自社独自の情報を取り込んだ生成AI環境を構築可能に)。

図3:社内文書をアップロードしておくことで、社内文書を参考にした回答が得られる。現状ではPDF/CSV/テキストファイルを取り込める(出典:Exa Enterprise AI)
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 今後のサービス強化で、2024年3月にクラウドストレージ「Box」と連携し、Boxが管理するファイルを生成AIのナレッジに取り込めるようにする(図4)。

図4:クラウドストレージ「Box」上の社内文書を取り込めるようにした(出典:Exa Enterprise AI)
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 また、業務で頻繁に利用するExcel/Wordファイルを取り込めるようにする。今後、ユースケースごとのデータ連携を順次提供する予定である。

 exaBase 生成AIの価格(税別)は、基本料金が1ユーザー月額900円で、従量料金が1000文字10円(GPT-4)、無料(GPT-3.5 Turbo)となっている。

自治体向けに同時接続ライセンスを提供、LGWANに対応

 自治体に向けた施策にも力を入れており、すでに兵庫県、福井県、東京都教育委員会などがexaBase 生成AIを導入している(関連記事兵庫県、生成AIを試験利用し県行政での活用方法を検討、ガイドラインを作成へ/福井県、全庁で生成AIの実証を開始、若手職員による検証で業務削減などの効果)。

 この領域での拡張として、2024年2月に行政向けプロンプトテンプレートを提供する。議会答弁の作成や政策立案などに利用できるという。

 また、同年4~6月には、統合行政ネットワークのLGWANへの対応、自治体向けの新ライセンスの提供を計画している。新ライセンスでは指名ユーザー数課金ではなく、同時接続数の課金体系を採用する。価格(税別)は同時アクセス数30でで月額5万円で、GPT-4は1カ月あたり300万文字まで、GPT 3.5 turboは無制限の利用が可能になる(図5)。

図5:自治体向けに用意する同時接続ライセンスの詳細(出典:Exa Enterprise AI)
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●Next:生成AIの業務ごとの費用対効果と、定着に有効な施策

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