[新製品・サービス]
富士通、「Uvance」のサービス群に同社のAI技術「Kozichi」を組み込んで提供
2024年2月14日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
富士通は2024年2月14日、業務アプリケーションのSaaS/SIサービス群「Fujitsu Uvance」に同社のAI技術「Fujitsu Kozichi」を組み込んで提供すると発表した。また、AIにブロックチェーンやビッグデータ分析を組み合わせたPaaS型のデータ活用基盤「Fujitsu Data Intelligence PaaS」をサービス化し、コンサルティングと合わせて2024年3月末から提供する。
富士通は、業務アプリケーションのSaaS/SIサービス群「Fujitsu Uvance」で提供している各サービスに、同社のAI技術「Fujitsu Kozichi」を組み込んで提供する。Sustainable Manufacturing(持続可能な製造)、Trusted Society(信頼できる社会)、Consumer Experience(顧客体験)、Healthy Living(健康的な生活)の4分野に属する22サービスを中心にAIを組み込むとしている(図1、関連記事:富士通、コンサル主導・提案型SaaS「Fujitsu Uvance」に注力、2025年度に売上7000億円を目指す)。
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これら既存サービスとは別に、AIを組み込んだデータ分析アプリケーションを開発するためのコンポーネントを備えたPaaS「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を提供する。技術コンサルティングと合わせて、2024年3月末から国内向けに、同年4月末から海外向けに提供を開始する。
同PaaSは、AIのほかに、企業・業種を超えたデータ連携とトレーサビリティを実現するブロックチェーン技術「Fujitsu Track and Trust」と、ビッグデータ分析基盤で構成する。ビッグデータ分析基盤は、富士通が投資する米Palantir Technologies(パランティアテクノロジーズ)のデータ分析ソフトウェアやMicrosoft Azureを用いている(関連記事:富士通、ビッグデータ分析ソフトを開発・提供する米Palantir Technologiesに5000万ドルを出資)。
同PaaSが、組織内外に散在する膨大なデータを意味を理解できる形に統合するとしている。業種間で分断されたデータを統合的に連携・分析可能になることで、これまでにない解決策や知見を導き出せるようになるという。
富士通はAIサービス群の拡充にあたり、AIのベース技術を開発している。2023年12月には、オープンLLM(米MetaのLlama 2 130億パラメータモデル)をベースに追加学習・チューニングを施して日本語性能を追求した特化型モデルを開発している。現在、画像やコード生成などの領域特化型の生成AIを開発しているという(図2)。
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また、富士通は、パートナー製含む複数の生成AIモデルを効率的に活用できるようにする「生成AI混合技術」の開発を進めている。ほかには、生成AIの課題である出力の不安定性を解消し、法規制や社内規則に準拠した正確な出力を保証する生成AIトラスト技術の開発に取り組んでいる。
2024年4月から、先端技術を無料で試用できる「Fujitsu Research Portal」を通じて、これらの生成AI関連技術や、ローカル環境で利用可能なLLMなどを提供していく予定である。