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人の動態から作業内容を推定する「姿勢推定AI」で製造業の生産性を可視化─横河システム建築など

2024年3月1日(金)IT Leaders編集部

横河システム建築(本社:千葉県船橋市)、横河商事(本社:東京都品川区)、インテックの3社は、ビデオカメラで撮影した作業者の関節の動きから作業内容を推定して生産性を可視化する検証を2024年1月から同年4月にかけて実施している。画像や動画に映った人の姿勢情報を取得する姿勢推定AI技術を活用する。同技術を提供するインテックが2024年2月29日に発表した。

 横河システム建築、横河商事、インテックの3社は、ビデオカメラで撮影した作業者の関節の動きから作業内容を推定して生産性を可視化する検証を実施している。取り組みの背景を次のように説明している。

 「製造業の製造現場では多くの人が働き、それぞれが複雑な工程を請け負っている。工場が長年に渡って稼働する過程で、さまざまな業務が属人化/ブラックボックス化したり、非効率な業務形態のまま改善されずに進行されていたりと、隠れた課題や問題が潜んでいる可能性がある」

 3社によると、製造現場の生産性を可視化するにあたり、設備や材料の状況については各種センサーやIoTデバイスの活用によって自動で収集できるが、作業者の状況や作業実績の収集は、依然として人手による記録を行っている場合が多く、一定条件下で定常的に正確で詳細な情報を取得することは困難であるという。

 そこで、インテックの姿勢推定AI技術を、製造現場に適用する検証を開始した。2024年1月から同年4月にかけて行う(撮影・データ取得期間:同年2月8日~3月29日)。

図1:姿勢推定AIで製造業の生産性を可視化する検証の概要(出典:インテック)
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 検証では、横河システム建築の鉄鋼製品組み立て工程に携わる作業者の動態をビデオカメラで撮影し、関節(姿勢)の情報から詳細な作業内容(行動)を推定。以下の実現可能性を確認する(図1)。

  1. 作業者の実績(生産数、作業効率、作業品質など)の自動収集
  2. 作業者が標準作業を順守しているかの自動チェック
  3. ベテランと未習熟者の作業内容を比較した匠の暗黙知のデータ化
  4. 作業標準書の作成および継続的な改訂

 姿勢推定AIは、画像や動画に映った人の姿勢情報を取得するためのAI技術である。人の姿勢や動きの認識は、身体に付けるマーカーや特別なセンサーを用いるのが一般的だが、同技術では、ディープラーニング(深層学習)により、マーカーや特別なセンサーを使わずに市販のビデオカメラ1台で撮影した2次元映像から人の骨格を認識することができる。

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