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茅野商工会議所、実店舗で顔認証決済の実証実験、スマホを持たない/不慣れな人でも容易に決済

2024年4月2日(火)IT Leaders編集部

茅野商工会議所(長野県茅野市)は、TOPPANデジタルと共同で、顔認証による決済サービスの実証実験を2024年4月1日から4月30日まで実施する。TOPPANデジタルのキャッシュレス決済サービス「地域Pay」とNECの顔認証決済サービスを連携させ、顔認証で地域通貨による決済を行う。住民の行動変容や加盟店の運用を検証する。TOPPANデジタルが同年4月1日に発表した。

 TOPPANデジタルは、自治体などが発行する地域通貨やプレミアム商品券を運用する「地域Pay」を提供している。今回、長野県茅野市の茅野商工会議所が検討している地域通貨事業の一環として、地域Payと顔認証決済サービスを組み合わせた実証実験を開始した(図1)。

図1:茅野商工会議所がTOPPANデジタルと実施する、顔認証決済サービスの実証実験の概要(出典:TOPPANデジタル)
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 利用者は、茅野市の実証店舗での買い物の際に、アプリやカードを使わずにレジでの顔認証のみで決済が可能である。利用者の行動変容や加盟店の運用面について検証し、地域通貨事業における顔認証決済の有用性を確かめる。

 「より多くの住民が使える決済手段が求められている。地域通貨の導入を検討する自治体・団体が増えているが、決済手段の主流はスマートフォンを使ったコード決済であり、スマホを持たない人やアプリの操作に不慣れな人への配慮が必要。紙券やカードの手段もあるが、紛失や不正使用のリスクが高い」(TOPPANデジタル)

 実証実験は、長野県茅野市内の小売5店舗(洋菓子店、生花店、薬局、飲食店、土産物店)で実施する。参加するのは、事前に選定した茅野市役所職員や茅野商工会議所関係者など約100人である。

 実証実験では、5000円の残高入りのカードIDを発行する。参加者は自身のスマートフォンとWebアプリで顔情報などを登録する。スマートフォンを持っていない参加者には会場内のスタッフが参加者の顔撮影とカードIDの登録を代行する。実施店舗では、タブレットの顔認証決済アプリを使って参加者の決済を行う。主な検証項目は、以下の4つである。

  1. 現金やコード決済と比較した際の決済時間の短縮効果
  2. 決済成功率の計測、失敗時の要因の集計(眼鏡・マスクなど)
  3. 他決済手段と併用した際の店頭オペレーションの検証
  4. 顔認証システムのユーザビリティ検証

 今後、茅野商工会議所は、実証実験を踏まえた効果検証を経て、独自の地域通貨の提供を目指す。TOPPANデジタルは、2025年度から顔認証サービスを組み合わせた地域Payを提供開始し、全国の企業や自治体に拡販していく。

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