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PayPay銀行、IT基盤を従量課金型のHCIで構築、10年間のインフラ費を3分の1に

2024年6月17日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インターネット専業銀行のPayPay銀行(本社:東京都新宿区)は、IT基盤をデル・テクノロジーズのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)「Dell VxRail」で構築した。使用したリソース分だけ支払う従量課金型の導入モデル「APEX Flex On Demand」を採用し、導入から10年間のインフラコストを約3分の1に削減する(数億円相当)という。デル・テクノロジーズが2024年6月17日に発表した。

 LINEヤフーと三井住友銀行のグループ会社でインターネット専業のPayPay銀行(2020年にジャパンネット銀行から商号変更)。同行は業務システムの多くをパブリッククラウド上で運用している。この一方で、勘定系システムや外部機関との連携などを担う周辺システムについては、セキュリティや安定性確保、システム間連携の観点からオンプレミスで運用している。

 しかし、周辺システム群を個別の物理サーバーで構築してきたため、インフラの更改にかかるコストや定期的なリプレース作業が大きな負担となっていたという。こうした課題を解決するため、2022年にサーバー仮想化技術を採用した新たな銀行共通基盤として、デル・テクノロジーズのHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)製品の「Dell VxRail」を採用した。

 その後、HCIによる銀行共通基盤の増強にあたっては、インフラの調達にともなう初期投資を軽減させるため、使用したリソース分だけ月額で支払う従量課金型の導入モデル「Dell APEX Flex On Demand」を採用した。2023年12月から合計で14ノードのVxRailを従量課金型で調達し、稼働している。

 従量課金型のAPEXでは、通常であれば数年おきに発生する物理サーバー更改に伴う負荷が減る。また、オンプレミスの形態を維持しつつクラウドサービスのように利用可能なことから、急激な需要増を見込んで余剰なリソースを確保しておく必要がない。

 最も大きな効果として、導入から10年間のインフラコストを約3分の1にすることを見込んでいる。これは、金額に換算すると数億円単位のコストに相当する。また、サーバーを利用する新たなアプリケーション需要に即応できるようになったこともメリットである。仮想サーバーを立てるだけで対応できるため、2~3週間程度で準備が完了する。

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