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システム監視ツール新版「MIRACLE ZBX 7.0」、監視プローブをクラスタ構成で運用可能に
2024年7月3日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
サイバートラストは2024年7月3日、システム監視ソフトウェア新版「MIRACLE ZBX 7.0」を一般公開した。新版では、ベースとなる「Zabbix」のバージョンがZabbix 7.0になった。これにより、Zabbixプロキシのクラスタリング(HA、負荷分散)などが利用可能になった。また、MIRACLE ZBXの独自機能として、監視設定のスナップショット機能を追加した。
サイバートラストの「MIRACLE ZBX」は、オープンソースソフトウェア(OSS)の「Zabbix」をベースに、企業向けに改良したシステム監視ソフトウェアである。
専用のエージェントソフトウェア(各種UNIX/LinuxやWindowsで動作)を用いたサーバー監視、SNMP監視、リモートログイン(SSH)とコマンド実行による監視、ポート監視(ネットワークサービスの死活監視)など、複数の方法でシステムとネットワークを監視する(図1、関連記事:サイバートラスト、システム監視ツール新版「MIRACLE ZBX 6.0」、通常と異なる状態を検知可能に)。
今回、メジャーバージョンアップとなるMIRACLE ZBX 7.0を一般公開した。新版では、ベースとなるZabbixのバージョンがZabbix 7.0になった。これにより、Zabbixの分散構成運用時に監視プローブとして機能するZabbixプロキシを、クラスタリング(HA、負荷分散)構成で運用できるようになった。
また、MIRACLE ZBXの独自機能として、監視設定のスナップショットを取得できるようになった。運用担当者の設定にミスがあっても、管理画面上の操作で元の状態に戻すことができる。
なお、MIRACLE ZBXは、コミュニティ版をOSSとして無料公開しているほか、有料の「MIRACLE ZBX サポートサービス」や、仮想アプライアンス製品の「MIRACLE ZBX Virtual Appliance」、設定バックアップ/監視データ出力/パトライト通知などのオプション製品を提供している。特徴として、監視対象に依らず、監視サーバー台数ごとの価格体系を採用している。
有料サポートは、障害対応に加えて、バグフィックスやセキュリティパッチを最長10年間(標準7年間、延長3年間)提供する。また、Zabbix/MIRACLE ZBXの不具合に関する問い合わせに対し、ソースコードを解析して「何が起こっているか」を正確に回答するとしている。Zabbix/MIRACLE ZBXのソースコードだけでなく、障害内容によってはnet-snmpやcURLなど関連するパッケージのソースコードも解析する。
今回、有料サポートサービスの対象を広げ、Zabbix/MIRACLE ZBXに加えて、MIRACLE ZBXを構築している「AlmaLinux」のサポートも包括。OSを含めて1つの窓口で対応する(関連記事:サイバートラスト、CentOSからAlmaLinuxへの移行を支援するサービスを提供)。
また、サポートサービスにMIRACLE ZBX Virtual Applianceおよびオプション「設定バックアップオプション」が加わり、これらを無料で利用できる。(関連記事:仮想環境向けシステム監視「MIRACLE ZBX Virtual Appliance V6.0」、障害検出機能を強化)。
有料サポートの価格(税別)は、「MIRACLE ZBX サポートスタンダード」が1年で120万円、3年で324万円、5年で510万円。「同ペアサポートスタンダード」(検証機/本番機やクラスタ構成など2台のサポートが必要な際のライセンス)が1年で216万円、3年で612万円、5年で960万円。オプションの「同プロキシサポート」は24万円。