[事例ニュース]

介護の報告書作成やオンライン英会話の要約に生成AIを活用─AWSが中堅・中小企業の事例を紹介

2024年7月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)は2024年7月18日、中堅・中小企業向け事業の説明会を開いた。生成AIを活用している中堅・中小企業の事例として、在宅介護サービスを手がけるやさしい手(本社:東京都目黒区)と、オンライン英会話サービスを手がけるネイティブキャンプ(本社:東京都渋谷区)が登壇した。

 AWSジャパンの説明会に、生成AIを活用している中堅・中小企業の事例として、在宅介護サービスを手がけるやさしい手(本社:東京都目黒区)と、オンライン英会話サービスを手がけるネイティブキャンプ(本社:東京都渋谷区)が登壇した。

介護記録の要点をまとめて関係者に報告

 やさしい手は、在宅介護サービスを提供している。看護師、介護職員、ケアマネージャなどの専門職を中心に6000人の従業員で構成する。同社はこれまで、介護記録をはじめ、サービス利用者に関するデータを蓄積してきた。現在、これらのデータを活用した、よりパーソナライズしたサービスの提供に取り組んでいる。

 現在の取り組みの1つが、生成AIである。介護業務における文書処理の自動化に生成AIサービス「Amazon Bedrock」を使っている。介護記録や手順書、会議の議事録など、介護にまつわる文書処理は非常に多いため、これをできるだけ生成AIで自動化する。

図1:介護記録の要点をまとめて利用者・医師・ケアマネージャに報告する作業を自動化した様子(出典:やさしい手)
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 例えば、介護記録の要点をまとめて利用者・医師・ケアマネージャーに報告する作業を自動化している。ケアマネージャー向けの看護報告では、疾患、薬剤、バイタルデータなどの専門用語を使って端的に要約している。一方、家族向けの報告では、専門用語を使用せずに要約する(図1)。

 要約だけでなく、介護記録データから介護職員向けの手順書を生成するのにも生成AIを使っている。また、ケアマネージャーと利用者の会話音声からアセスメント項目を生成し、ケアプランを作成するといった用途にも使っている。

 また、現在は、利用者の家族と担当者がLINEでつながっており、手動で問い合わせに回答している、今後は、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)システムを構築し、LINEのチャットボットが検索結果を利用してリアルタイムに回答を生成するようにする予定である。例えば、「来週の水曜日は何時に誰が来るのか」といった問い合わせに回答できるようにする。

●Next:オンライン英会話の要約に生成AIを活用

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