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常翔学園、全学に承認ワークフローを導入、年間1万件に及ぶ紙の稟議書をペーパーレス化

市民開発を推進し、遠隔地を含む学園全体に適用範囲を拡大

2024年8月26日(月)IT Leaders編集部

常翔(じょうしょう)学園(本部:大阪府大阪市)は、承認ワークフローシステムを導入し、年間で約1万件に及ぶ紙ベースの稟議書をペーパーレス化した。住友電工情報システムの「楽々WorkflowII」を用いて、拠点間の郵送や承認者数十人の押印などを削減・効率化している。適用範囲を広げるために市民開発に取り組み、各部門で申請書を作成できる体制を築いて学園全体でペーパーレス化を推進している。住友電工情報システムが2024年8月23日に発表した。

 常翔(じょうしょう)学園は、大阪府大阪市を本部に、3大学(大阪工業大学、摂南大学、広島国際大学)、2高校・中学校(常翔学園中学校・高等学校、常翔啓光学園中学校・高等学校)を運営する学校法人である。全学の学生・生徒数は約2万6000人で、教職員は約1700人で、現在、教育や学校業務のIT/デジタル化に取り組んでいる。

 2017年に情報システム部門の組織を改組し、本部にIT連携機構を設置。同組織が各拠点の情報システム部門を統括する体制をとって、業務システムの集約などシステム環境の構築・運用の効率化を推進している。また、2019年には「働き方改革推進室」を設置し、業務オンライン化に向けた検討会を発足。アナログな業務を刷新し、次世代型の働き方の確立を目指している。

 IT/デジタル化の取り組みの中で、同学園は、全体で年間約1万件に及ぶ稟議書のワークフローに課題を抱えていた。大阪市、寝屋川市、枚方市の大阪府下に加え、広島県にも拠点を構えていることもあり、拠点間で稟議書をやり取りし、ハンコ押印で承認を受ける業務に多大な手間と時間がかかっていた。なかでも、全学校長の承認が必要な稟議書の場合、1つの稟議書をすべての拠点に順番に郵送し、押印承認数は30~40に上ったという。

 こうして稟議書の回付に伴う手間や時間が看過できない量に膨れ上がっていたことに加え、当時はコロナ禍によりリモートワーク体制の構築も求められていた。そこで、承認ワークフローシステムを導入して、稟議書をペーパーレスで回付するプロジェクトが始動した。

画面1:「楽々WorkflowII」のワークフロー画面作成例(出典:住友電工情報システム)
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 プロジェクトの当初は、同学園で運用中のグループウェアに備わるワークフロー機能の活用を検討したが、機能が簡素で不十分だったため、特化したシステムとして複雑な組織構造に対応する「代理承認」機能などを評価し、住友電工情報システムの「楽々WorkflowII」を採用した。2021年10月に導入作業を開始し、2022年3月に運用を開始した(画面1)。

 稟議書はほぼすべての部門にかかわることから、楽々WorkflowIIははじめから全学展開する必要があり、設定する対象者と承認ルートが多数に上った。特に大学の場合、教員ルートと事務職員ルートの2系統でのルート設定が必要になったという。

 ここで重宝したのが、楽々WorkflowIIの「仮想ユーザー」機能(図1)と「承認経路設定」の柔軟性である。仮想ユーザーはパターン化する経路を1つにまとめめて経路設定を効率化する機能、承認経路設定は経路設定を利用者に開放する機能で、両機能によってワークフロー構築の開発負荷を抑えることができたという。

図1:「楽々WorkflowII」の仮想ユーザー機能(出典:住友電工情報システム)
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 同学園では現在、150以上のほぼ全部署・全教職員が楽々WorkflowIIによる承認ワークフローを利用している。紙の稟議書をペーパーレス化したことで、年間約1万件の稟議書をすべてシステム上で回付できるようになった。伴って、手間と時間を要していた郵送・回付作業がほぼゼロになったという。

 同学園は、この取り組みを端緒として、稟議書以外の紙の申請書のペーパーレス化にも着手。各部門の担当者向けに申請画面作成に関するハンズオンセミナーを実施し、各部門の担当者が市民開発型でペーパーレス化を内製で推進する体制を整えている。すでに本部と各設置学校で60種類以上の申請書が内製でペーパーレス化され、今後は、学生が利用する申請書のペーパーレス化に取り組んでいくとしている。

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