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岡山県の食品スーパー、マルイがAI需要予測を全店舗に導入、来客数を90%の精度で予測

2024年9月17日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

岡山県・鳥取県・島根県でで食品スーパーマーケットを運営するマルイ(本社:岡山県津山市)は2024年9月17日、AI需要予測システムを全店舗に導入すると発表した。店舗での発注業務を軽減し、利益率を向上させることが狙い。日本IBMのシステムを用いて、事前検証で月間来客数を90%超の精度で予測したのに加えて、一部店舗での実運用で発注時間を50%削減する効果を確認し、全店舗導入を決定したという。

 岡山県・鳥取県・島根県で食品スーパーマーケットを運営するマルイは、AI需要予測システムを2024年9月から全店舗に導入する。事前検証(2023年11月~2024年2月)で、1カ月間の来客数を90%超の精度で予測(店舗平均)。その後、一部店舗での実運用(2024年3月~同年7月)で、発注時間を50%削減する効果を確認し、全店舗導入を決定したという。

 同社は以前から、一部の賞味期限の長いカテゴリーを対象に一定の在庫量を維持する在庫型・統計需要予測方式の自動発注を行っていた。一方で、賞味期限が短い商品や気象条件や販売促進の結果で大きく需要が変わる商品については、カテゴリーごとに単品の販売動向が異なるため、需要予測に基いた発注ができていなかったという。

 日本IBMの「AI需要予測システム」を利用する。店舗の売上に影響を及ぼす要因である天候や催事などのコーザルデータや販売データの傾向を分析し、全商品を一律に運用するのではなく、商品ごとに適した予測モデルを自動で適用する手法を採用している。

 事前検証を5店舗(ノースランド店、総社店、湯郷店、両三柳店、安倍店)で実施した。商品カテゴリーとして和日配(豆腐、納豆など)と洋日配(牛乳、デザートなど)を分類。分析には、店舗情報、販売実績、商品情報、販促情報、コロナ情報、気象情報、カレンダー情報の各データを用いた。検証で得られた定量/定性効果として以下を挙げている。

定量効果
販売数予測精度:和日配96.3%
売上前年比:和日配102%
月額ロス率前年比:和日配97.5%
発注時間:各カテゴリーで50%削減
定性効果
担当者の公休前の発注忘れの防止や従業員の休暇中の心労削減
定型業務量削減による店舗スタッフのモチベーションアップ
発注業務削減時間を高付加価値のサービス提供時間への変換による店舗活性化
欠品状況の可視化および定番商品の品揃えの改善

 マルイは今後、部位が多く予測の難しい精肉や惣菜、インストアベーカリーに対してもAI需要予測を適用するほか、製造計画にも活用することを検討している。また、時間帯別の客数予測を人員の配置計画に反映させる計画もあるという。

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小売 / スーパーマーケット / 需要予測 / 店舗 / IBM / 岡山県 / 津山市

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