[市場動向]

キヤノンITSとダイハツディーゼル、発電機の振動データから故障の予兆を検知するAIモデルを構築

2024年9月26日(木)IT Leaders編集部

キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2024年9月25日、ダイハツディーゼル(本社:大阪府大阪市)との協業で進めている、非常用発電機の故障予兆検知システムの実用化に向けたプロジェクトの一部成果を発表した。第1段階として、正常な発電機の振動データを学習させたAIモデルを作成し、このAIモデルを用いて劣化度の大きい発電機の振動データを評価する故障予兆検知の仕組みを構築し、効果を実証した。

 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は、自社が運営する西東京データセンターの安定稼働のため、日々設備の予防保全や点検に取り組んでいる。しかし、設備の故障をゼロにすることは困難であり、故障による冗長性の低下や復旧時の突発的な対応や要員確保など、運営上の課題を抱えていたという。

写真1:ダイハツディーゼルの西東京データセンターと発電機の外観(出典:キヤノンITソリューションズ)
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 これらの課題を解決すべく、発電機メーカーのダイハツディーゼルとの協業の下、故障予兆検知技術の実現に向けたプロジェクトを推進している。

 第1段階として、正常な発電機の振動データを学習させたAIモデルを作成し、このAIモデルを用いて劣化度の大きい発電機の振動データを評価する故障予兆検知の仕組みを構築した。正常な発電機の振動データは、西東京データセンターで使用中の発電機から得る。劣化度の大きい発電機の振動データは、ダイハツディーゼルが提供している。

 検証の結果、「劣化度の大きい発電機のデータを入力した場合、正常な発電機のデータとは異なる」と判定する技術を確立した。現在は次の段階として、評価データと劣化度の大きい発電機のデータとの差異を可視化する技術の開発に着手している。

 今後、この可視化技術にダイハツディーゼルのノウハウを取り入れ、発電機の劣化要因の特定や劣化度合いを判断する技術の開発を進める。2025年内には、プロトタイプによる故障予兆検知の試験運用を開始する予定。

 プロジェクトを通じて、キヤノンITSは非常用発電機以外の設備への応用を試み、データセンターの信頼性向上を目指す。ダイハツディーゼルは、発電機の信頼性向上および保守サービスの差別化につなげていく。

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