[事例ニュース]

みずほ銀行、データセンターネットワークをSDNで刷新、レジリエンスを向上

Cisco ACIを採用しネットワーク構成をシンプル化

2024年10月23日(水)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)

みずほ銀行(本店:東京都千代田区)は、メインセンターから地理的に離れたエリアに新規データセンターを新設するのに伴い、レジリエンス向上を目的に全行のデータセンターネットワークをSDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)で刷新した。シスコシステムズのSDNアーキテクチャ「Cisco ACI」の下、データセンタースイッチ「Cisco Nexus」、ネットワーク性能監視ツール「Cisco ThousandEyes」を導入してネットワーク構成のシンプル化を図っている。シスコシステムズが2024年10月22日に発表した。

 みずほ銀行は、「みずほダイレクト」「みずほWalletアプリ」(写真1)といったデジタルサービスの利便性向上、AI活用によるコンタクトセンターの対応力向上、最適な金融サービスを顧客に提案するためのデータ活用など、さまざまなデジタル施策に取り組んでいる。

写真1:みずほ銀行のキャッシュレス決済サービス/スマートフォンアプリ「みずほ Wallet アプリ」(出典:みずほ銀行)
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 そうした施策のためのITシステムから、入出金や資金決済、口座や融資の残高管理、利息計算など同行の金融事業の根幹を担う勘定系システムまで、あらゆるITシステムの稼働を根底で支えているのが「みずほデータセンターネットワーク」である。

 同行は、広域被災時の事業継続性向上のため、メインセンターから地理的に離れたエリアへのデータセンターの新設・整備に取り組んでいる。それに伴い、ネットワーク構成をシンプル化し、ネットワークのレジリエンス(復元力)を高める目的で、みずほデータセンターネットワークにSDN(Software Defined Networking:ソフトウェア定義型ネットワーク)を導入した。SDNアーキテクチャには、シスコシステムズの「Cisco ACI (Application Centric Infrastructure)」を採用し、同社がネットワーク設計をシスコシステムズが担当した。

 これまで、みずほ銀行はデータセンターを段階的に拡張してきた。構築時期ごとに採用する技術が異なることから、ネットワーク構成が複雑化。特定の人材やパートナー企業など、一部の有識者への依存が高くなっており、結果としてレジリエンスを低下させる要因になっていたという。

 そこで同行は、遠隔地へのデータセンターの新設・整備を機に、ネットワーク機器台数の削減や採用技術の統一など、ネットワーク構成のシンプル化をコンセプトとしたみずほデータセンターネットワークの刷新を計画した。

 金融事業を提供するうえでみずほ銀行が最も重視しているのはレジリエンスである。「顧客の生活やビジネスへの影響を考え、障害を未然に防ぐこと、仮に障害が発生した際には速やかに復旧し、その影響を極小化することを最も重視し、常にネットワークのレジリエンスの高度化を図っている」(同行 IT・システム統括第一部 共通インフラ推進チーム ディレクターの橋本徹氏)

 レジリエンスを最重視し、同行はデータセンターネットワークの刷新プロジェクトを進めた。シスコシステムズの技術的支援の下、SDNアーキテクチャのCisco ACIをベースにデータセンターネットワークを再設計した。

 SDNを具現化するネットワーク機器として、データセンタースイッチ「Cisco Nexus」シリーズ(写真2)を採用、メインセンターとバックアップセンターの両方で稼働を開始している。これらはCisco ACIの下、スパイン/リーフ(Spine/Leaf)のスイッチングレイヤーで論理的な仮想ネットワークを構成している。

 また、構成がパターン化された小規模ネットワークについては、パートナーベンダーに依頼することなく構築が可能になり、構築コストの削減をはたしている。

写真2:データセンタースイッチ「Cisco Nexus」シリーズの外観(出典:シスコシステムズ)
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●Next:機器ごとのアクティブ監視で障害の1次切り分けを迅速化

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