[新製品・サービス]
バックオフィスへの問い合わせに特化した生成AI/RAGシステム「CorporateOn」─LegalOn Technologies
2025年1月21日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)
LegalOn Technologiesは2025年1月21日、コーポレート/バックオフィス部門向け生成AI/RAG(検索拡張生成)システム「CorporateOn」を発表した。同年1月20日から提供している。社内規程などの社内ルールや社内手続きの確認、人事労務・法務・経理財務・税務などコーポレート全般にわたる論点の把握を支援する。料金(税別)は初期導入費用が30万円、1ユーザー月額1900円(301人で利用時)など。
LegalOn Technologies(リーガルオンテクノロジーズ)の「CorporateOn」は、事業部門からコーポレート/バックオフィス部門への問い合わせ対応に特化した、RAG(検索拡張生成)構成の生成AIシステムである。社内規程などの社内ルールや社内手続きの問い合わせ対応において、管理部門の専門知識を補完し、問い合わせや相談に対応する負荷を減らす。
回答に利用するナレッジベースとして、法律、会計、人事などの専門知識をあらかじめ独自データベース化している。このほか、企業ごとの社内ルールやマニュアルといった自社固有の情報を、PDFなど文書ファイルの形でアップロードして検索対象にできる。
問い合わせ画面では、自然文で問い合わせ内容を入力すると、生成した回答文に加えて、回答文を作成する際に利用した文章を引用して表示する。同時に引用部の参照元となったPDFなどの文書のリンクを提示する。これにより、これらの文書を探して回答を抽出する手間が減る。

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図1は、CorporateOn利用時の回答画面である。「出張先で泊まるホテルの上限金額は?」という問い合わせに対し、アップロードして登録済みの社内出張マニュアルのPDFファイルを参照し、抽出した情報を基に回答文を生成している。
料金(税別)は、初期導入費用が30万円。1ユーザーあたり月額1900円(301人で利用する場合)。管理者IDは1人あたり月額1万円。2025年4月以降は価格を改定し、1ユーザー2900円、管理者1人1万5000円になる。なお、同年3月以前に契約した場合は旧料金のままで4月以降も利用可能。
契約書の生成や査読を自律的に実行するAIエージェント
LegalOn Technologiesは、契約書のレビュー(査読)業務などを省力化する主力サービス「LegalOn Cloud」において、自律的に動作するAIエージェントを2025年以降順次実装する(関連記事:法務担当の3割が生成AIを活用、法的文書の翻訳・要約・ドラフトなど─LegalOn Technologies調査)。
LegalOn Cloudは、契約事案の発生から契約書作成・審査、契約交渉・締結、締結後の契約書管理まで、契約書にまつわる一連の業務をトータルで支援する機能群で構成する。
それぞれの機能でAIを活用しているが、現行製品に実装されているAIは、担当者の指示を待ってタスクを実行しており、AIエージェントのように自律的に動くわけではない。今後は、AIエージェントをそれぞれの機能ごとに実装し、タスクを自律的に実行できるようにする。
例えば、契約書をレビューするAIエージェントは、担当者が契約書をアップロードすると、複数ある契約基準のどれを適用すべきかをAIが判断し、契約基準に照らして自律的にレビューを実施し、修正文案を提案する。
複数のAIエージェントが連携することで、エージェントの質問に答えて契約情報を提供するだけで、適切な契約書のテンプレートを選択して契約書を作成し、レビューし、ドラフトを提供してくれるようになる(図2)。

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