[事例ニュース]

豊田通商、オンプレミスのVDIをクラウドのDaaSに移行、アクセス集中による性能劣化を解消

Azure Virtual DesktopをCitrix Cloudの管理下で運用

2025年2月10日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

豊田通商(本社:愛知県名古屋市)は、全社のVDI(デスクトップ仮想化基盤)を日本マイクロソフトのDaaS(Desktop as a Service)「Azure Virtual Desktop」に移行し、エンドユーザーのPC環境の体感性能向上をはたしている。オンプレミス環境ではサーバーの増減が難しく、PCの利用が集中する時間帯や月末・月初は速度の低下が避けられなかったが、リソースの増減が容易なDaaSに移行したことで、性能劣化の問題を解消している。移行を支援したTISが2025年2月10日に発表した。

 豊田通商は2012年に、VDI(デスクトップ仮想化基盤)ミドルウェアにシトリックス・システムズ・ジャパンの製品を採用し、オンプレミスのデータセンターにVDI環境を構築している。本社勤務の約100人が対象で、Windowsの更新管理の効率化や社外からのアクセス性の向上を図った。

 2020年には、コロナ禍における在宅勤務ニーズに応えるべく、VDIのサーバーリソースを増強。ユーザー上限が約400人想定の当初設計を見直し、約4000人が利用できるようにした。

 しかし豊田通商によると、物理的なリソースを約10倍にしたものの、PCの利用が集中する時間帯や月末/月初はレスポンスの低下が避けられず、体感性能に課題が残ったという。「社員の業務・職務ごとにリソースを増減するチューニングを試みたが、運用体制での対処は限界に近づいていた。また、コロナ禍で物流が滞り、サーバーを増やしたくても調達できない状況だった」(同社)。

 そこで同社は、必要なときに必要なリソースを拡張できるように、VDIをクラウド上のDaaS(Desktop as a Service)に移行することを検討。日本マイクロソフトのDaaS「Azure Virtual Desktop」に移行した(図1)。

図1:オンプレミスのVDIからクラウドのDaaSに移行した豊田通商のPC基盤(出典:TIS) 

 グループ各社に順次展開していく方針で、2021年、豊通シスコムの約700人を対象に最初の移行を実施。続いて、豊田通商本体の約5000人を対象に導入している。伴って、デスクトップOSのWindows 10からWindows 11へのアップグレードを決定。移行時に新旧のOSを並行稼働させている。

 Azure Virtual Desktopの管理機能として「Citrix Cloud」を採用し、組み合わせて運用している。これにより、エンドユーザーはオンプレミスのCitrix VDIと変わらない使い勝手でDaaSを利用できる。Citrix Cloudでは、画面情報を転送する通信プロトコルとして、帯域への要求が少ないCitrix ICAを利用できるため、ネットワーク負荷の低減や性能向上が望めるという。

 DaaSへの移行によって、IT担当者は、負荷に合わせてリソースを柔軟に調達できるようになり、運用負荷が軽減。エンドユーザー側では、体感性能の向上と共に、全社的な移行によりPCの持ち出しなどによる情報漏洩リスクの低減を図ることができた。「異なる事業所やデバイスから自身のPC環境に容易にアクセスできるため、グループ会社間を物理的に移動することなく、会社をまたいだ業務や社内申請を行えるようになった」(同社)という。

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