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花王、物流センター全44拠点にシフト計画システムを導入、AIで雇用計画・人員配置を最適化

2025年3月4日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

花王(本社:東京都中央区)は、物流センター全44拠点に、AIを用いたシフト計画作成システムを導入した。パナソニック コネクトの「CYTIS Shift for Logistics」に備わる数理最適化AIにより、シフト作成時間の短縮や、最大ピーク人員を抑える人員計画の最適化を図る。今後は蓄積したデータを活用することで、人員・雇用計画の立案精度向上と、現場業務のさらなる負荷軽減を目指す。パナソニック コネクトが2025年2月27日に発表した。

 花王は、物流センター全44拠点に、AIを用いたシフト計画作成システムを導入した。パナソニック コネクトの「CYTIS Shift for Logistics」に備わる数理最適化AIにより、シフト作成時間の短縮や、最大ピーク人員を抑える人員計画の最適化を図る(写真1)。

 「ベテラン社員に頼らずに現場を運営できる仕組みを構築し、倉庫の現場運営を安定化することが急務だった。システム導入にあたっては、作業の種類や内容を明確に定義・可視化し、倉庫業務を標準化した」(花王)

写真1:花王の物流センターでシフト計画作成システム「CYTIS Shift for Logistics」を利用している様子(出典:パナソニック コネクト)

 CYTIS Shift for Logisticsは、数理最適化のAIモデルを用いて業務を平準化(ピーク分散)して、過剰なバッファを持たずに人数を抑えた人員計画の立案を可能にする。入出荷物量の予測データを基に作業の生産性から必要な人員を算出するほか、順序性などの業務的な制約事項を反映して調整する。パナソニック コネクトが100人規模の倉庫で試算した結果、倉庫全体の人時において1日あたり最大70時間の削減効果を確認したという(図1)。

図1:入出荷物量の予測データをもとに、人数を抑えた人員計画を立案(出典:パナソニック コネクト)
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 また、各従業員の出勤可能日(時間・曜日)、希望休暇日、雇用区分などの勤務条件、作業可能な業務、作業の熟練レベルなどの保有スキルを考慮し、条件を満たす人員配置・勤務シフトを自動作成する(図2)。

図2:従業員の勤務条件を満たす人員配置・勤務シフトを自動作成(出典:パナソニック コネクト)
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 パナソニック コネクトが1チーム(30人)の勤務・シフト作成時間を試算した結果、従来1日かかっていたのが7時間に短縮され、シフト作成時間を約70%削減することが可能という(小売業における実績)。

 花王は今後、全拠点で蓄積したデータを活用することで、人員・雇用計画の立案精度向上と、現場業務のさらなる負荷軽減を目指す。

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