IDC Japanは2025年3月13日、国内ITサービス市場の予測を発表した。2024年はデジタルトランスフォーメーションに向けたクラウド移行やレガシーモダナイゼーションの旺盛な需要によって前年比7.4％増の7兆205億円となった。2024年～2029年の年間平均成長率（CAGR）は6.6％で、2029年に9兆6625億円に達すると予測している。
IDC Japanによると、2024年の国内ITサービス市場は、企業のデジタルビジネス化に向けた旺盛な需要によって前年比7.4%増の7兆205億円となった。2024年～2029年までの年間平均成長率（CAGR）は6.6%で、2029年に9兆6625億円に達すると予測している（図1、関連記事：2025年の国内IT市場は前年比8.2％増へ、大都市圏/大手企業によるIT支出が牽引─IDC）。
図1：国内ITサービス市場 支出額予測：2024年～2029年（出典：IDC Japan）拡大画像表示
サービスセグメントで見ると、ITコンサルティング/SIなどのプロジェクトベース市場が最も高い成長率となったという。広範な産業分野において既存システムのクラウド移行/モダナイゼーションやデジタル変革のためのシステム構築への支出が拡大したことが要因としている。
また、マネージドサービス市場は、従来ITシステムの運用管理サービス支出は減少しているが、マネージドクラウドサービスやサービス事業者向けのホールセールコロケーションサービスの拡大などにより、堅調な成長を遂げているという。
産業分野別に見ると、官公庁での大型システムの刷新プロジェクトや地方自治体での自治体システム標準化の本格化から、政府/公共が最も成長率が高かったという。金融、製造、流通は、既存システムのクラウド移行/モダナイゼーション、顧客体験（CX）向上、データ活用、AI活用に向けた支出が拡大して、他の産業に比べて高い成長を遂げているという。
IDCによると、今後、国内企業の既存システムのインフラ/アプリケーションのモダナイゼーションへの投資と、新たな価値創造に向けた新システムへの投資が持続的に拡大するという。AI活用においては、PoC（概念検証）から実践へとフェーズが移行し、AIのユースケースの発展が企業の投資を促進する要因になると見ている。
今回の発表は、同社のレポート「国内ITサービス市場 産業分野別予測、2025年～2029年」に基づく。同市場を12の市場セグメントと18のユーザー企業の産業分野で分類し、2029年まで市場規模を予測している。
