パーソルビジネスプロセスデザインは2025年3月28日、従業員300人未満の中小企業におけるBPO・業務代行サービスの導入状況を調査した結果を発表した。回答企業のうち、BPOを導入している中小企業は12.9%にとどまり、従業員規模が大きいほど導入率と導入検討率が高まる傾向が見られる。
パーソルビジネスプロセスデザイン(2024年9月にパーソルプロセス&テクノロジーから社名変更)は、従業員300人未満の中小企業を対象に、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)および業務代行サービスの導入状況を調査した。調査期間は2025年2月18日~2月20日で、経営層・管理職550人に対してインターネット調査を実施した。
調査のハイライトとして、BPOを導入している中小企業は12.9%にとどまり、従業員規模が大きいほど導入率と導入検討率が高まる傾向が見られる。導入していない理由は「結果的にコストが高くなる」が最多である一方、導入による効果は「業務コストが削減できた」が上位に挙がった。「BPOは費用負担が大きいという懸念が導入の障壁になっている」と同社は指摘している。
BPOの導入率は従業員規模が大きいほど高い
BPOや業務代行の導入状況について聞いたところ、12.9%が「導入している」と回答。従業員規模別に見ると、100~299人の24.6%に対して10人未満は6.9%にとどまり、従業員規模が大きいほど導入率と導入検討率(「導入はしていないが、今後検討する可能性がある」を含む)が高まる傾向にある(図1)。

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次に、BPOや業務代行を導入しているとした回答者71人に、導入している業務を聞いたところ、「経理・財務」が29.6%で最も多く、次いで「労務(社会保険処理)」が26.8%、「人事(管理)」が19.7%、「システム/インフラの開発・構築」と「システム/インフラの保守・運用」が16.9%と続いた(図2)。

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経理・財務、システム/インフラの開発・構築、および保守・運用は業務の専門性が高いことが理由に挙げられていた。また、労務(社会保険処理)と人材(管理)は業務の範囲が広いことが理由で、BPOの導入が進んでいる、と同社は見ている。
BPO費用は月額10万円未満が12.7%で最多
BPOや業務代行の導入企業に、それにかかる月額費用を聞いたところ、「10万円未満」が12.7%で最も多く、次いで「20万円~30万円未満」が11.3%だった。この費用感について同社は、「業務を部分的に切り出して委託している」と推察。従業員規模別に見ると、100~299人では30万円~50万円未満がボリュームゾーンで15.2%だった(図3)。

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同じくBPO・業務代行の導入企業に、それらの導入で対応(解決)したかった課題を聞いたところ、「業務の効率化をする必要があった」が33.8%で最も多く、次いで「人材不足」が29.6%、「専門性の高い業務を外部の専門家に任せる必要があった」が26.8%、「業務コストを削減する必要があった」が25.4%と上位に挙がった(図4)。

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