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NTTテクノクロス、個人情報を黒塗りする「tasokarenaマスキングツール ローカルLLM版」
2025年5月14日(水)日川 佳三（IT Leaders編集部）
NTTテクノクロスは2025年5月14日、個人情報マスキングツール「tasokarenaマスキングツール ローカルLLM版」を同年5月15日から提供すると発表した。既存の匿名加工ツール「tasokarena」の派生版で、マスキング機能に特化する代わりにローカル環境で動作する大規模言語モデル（LLM）を用いてマスキング対象の抽出精度を高めている。
NTTテクノクロスの「tasokarena（タソカレナ）」は、個人情報を含むデータから特定の個人を識別できないように加工する匿名加工ツールである。匿名性を満たしつつ、元データの統計的性質を極力保つ形で加工する（関連記事：NTTテクノクロス、匿名加工ソフト「tasokarena」新版、架空のパーソナルデータを合成可能に）。
今回、tasokarenaの派生版として、匿名加工機能を持たず、マスキング（黒塗り）機能に特化した「tasokarenaマスキングツール ローカルLLM版」を提供する。特徴は、ローカル環境で動作する大規模言語モデル（LLM）を用いて、マスキング対象となる個人情報の抽出精度を高めていること。匿名加工が必要ないユーザーに向く（図1）。
図1：「tasokarenaマスキングツール ローカルLLM版」の利用イメージ（出典：NTTテクノクロス）拡大画像表示
「改正個人情報保護法などの法整備により、法令に準拠してデータ加工された顧客データを研究や分析に活用することが可能になった。コンタクトセンター応対履歴の分析や、生成AIサービスにおけるAIモデルの学習などへの活用が進んでいる」（同社）ことを受けてマスキングツールを提供する。
ローカルLLMの活用により、漢字、ひらがな、カタカナが混在する日本語の文脈理解度が上がり、個人情報の抽出率が向上しているという。単純なルールベースのマスキングでは抽出が難しい微妙なニュアンスや関連性を考慮し、住所の建物名などの個人情報をより高精度に特定するとしている。また、情報漏洩の観点では、LLMがローカルで動作するため、既存のtasokarenaと同様、外部ネットワークに接続することなくマスキングできる。
価格（税別）は、1ライセンス（端末1台へのインストール）で初期費用が5万円。利用料は月額7万円（最低契約期間は3カ月）または年額60万円。
