PFUは2025年5月20日、OCRソフトウェア「DynaEye 11 Entry AI-OCR」において、ドットプリンターの印字を認識できるようにした。読み取りが難しい罫線との接触や特殊フォントを含む帳票をデータ化する。また、出力ファイルのフォーマットを後続システムに合わせてカスタマイズできるようにした。価格(税別)は初期費用が201万6000円、次年度以降の継続ライセンスが年額33万6000円。
PFUの「DynaEye 11 Entry AI-OCR」は、Windows 10/11で動作するOCR(光学文字認識)ソフトウェアである。ライセンスは定額制で、有効期限内は枚数の制限なく利用可能である。クラウドではなくオンプレミス/スタンドアロンのPC環境で動作することから、個人情報などの機微情報の漏洩を抑える。
申込書のようなレイアウトが同じ定型帳票用の「標準アプリケーション」と、取引先や案件ごとにレイアウトが異なる準定型帳票用の「エントリーアプリケーション」の2つを用意している。1つのライセンスでどちらも利用できる。定型帳票は、読み取り位置を指定してから読み取る。非定型帳票は、項目名の定義に基づき、読み取り位置の指定なしに自動で読み取る(関連記事:PFU、「DynaEye 11 Entry AI-OCR」の機能を強化、非定型帳票の認識精度を向上)。
今回の機能強化では、AI-OCRを強化し、カスレや薄い印字などの低品質な活字も高精度に認識できるようにした。ドットプリンター印字の伝票や、ファクスで受信した注文書など、読み取りが難しい罫線との接触や特殊フォントを含む帳票をデータ化する(図1)。

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また、準定型帳票を読み取るエントリーアプリケーションに、新オプション「生成AI連携機能」を追加した。項目名が複数行にまたがったり、1行に複数の情報が混在していたりする場合も明細項目として整理された形式で出力する。生成AIの利用にあたってはインターネット接続が必要になるが、入力データがAIの学習に利用されることはない(図2)。

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出力ファイルの形式を後続システムに合わせてカスタマイズする「出力データ変換」機能を追加した。CSV(カンマ区切り形式)出力時に、認識結果の結合・抽出・置換、空白処理、日付・連番付与が可能である。例えば、2つに分かれている項目「住所1」と「住所2」を結合して出力できる。出力ファイル名の指定(認識結果や日付、連番などを付与)も行える(図3)。

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価格(税別)は初期費用が201万6000円、次年度以降の継続ライセンスが年額33万6000円。年間の上限枚数が6000枚(月500枚相当)で半額の「Lite版ライセンス」が初期費用が100万8000円、次年度以降の継続ライセンスが年額16万8000円。生成AI連携オプションは、処理量上限が6000ページで年額8万4000円、処理量上限が1万5000ページで年額21万円。