レノボ・ジャパンは2025年5月27日、アジア太平洋地域(APAC)のIT/ビジネス意思決定者900人を対象に実施した調査レポート「CIO Playbook 2025 - AIノミクス時代の到来」を公開した。組織のIT支出に占めるAIの割合は、APAC全体で3.3倍、日本では5.8倍に増加している。コンプライアンス需要などから、AIシステムのインフラにパブリッククラウドを利用するケースは少なく、約3分の2がオンプレミスやプライベート/ハイブリッド環境を利用していることが判明した。
レノボ・ジャパンは、アジア太平洋地域(APAC)のIT/ビジネス意思決定者900人を対象に実施した調査レポート「CIO Playbook 2025 - AIノミクス時代の到来」を公開した。組織のIT支出に占めるAIの割合は、APAC全体で3.3倍、日本では5.8倍に増加している(図1)。

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AIのワークロードを処理するITインフラは、データの安全性やコンプライアンスなどAI固有の要件の下、約3分の2の組織(日本企業は66%)がオンプレミスやプライベート/ハイブリッド環境を利用している。パブリッククラウドを利用する組織は日本企業の場合6%だった。

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レノボ・ジャパン代表取締役社長の檜山太郎氏(写真1)は、「オンプレミスを含むハイブリッド構成は拡張性とコントロールの両面ですぐれる」と指摘。セキュリティ/コンプライアンス要件だけでなく、低遅延やコストといった需要からも、これまでクラウドで提供されてきたAIのインフラをオンプレミスなどのエッジにオフロードするトレンドがあると説明した。
AIのユースケースは、APAC全体では、IT運用(1位)、サイバーセキュリティ(2位)、ソフトウェア開発(3位)と、設定/コード生成や運用自動化といった、エンジニアの作業を代替するものが目立つ。一方、日本の場合、財務(1位)、マーケティング(2位)、IT運用(3位)と、業務寄りの利用が多い。
調査結果によると、日本はAIの導入において勢いがあり、今後12カ月以内にAIの評価または導入を計画している組織は70%に上る。これは世界およびAPAC平均を上回るという。
「ただし、現時点で全社でAIを採用している日本企業はわずか2%と慎重。特に、既存のシステムやプロセスとの統合を重視する傾向にあり、迅速な展開よりも長期的に堅牢なシステムを重視している」(レノボ)