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セイコーエプソン、ロボットアーム「人協働ロボット」を開発、Pythonでプログラミング/カスタマイズ
2025年6月5日(木)IT Leaders編集部
セイコーエプソンは2025年6月3日、ロボットアーム型産業用ロボット「人協働ロボット」を発表した。人が介在する工程やプロセスを自動化する。産業用ロボットの主対象である製造業以外に、ライフサイエンス分野や研究所などでも活用できるとしている。2025年内を目途に日本および欧州で販売を開始し、以降、対象地域を順次拡大する。
セイコーエプソンの「人協働ロボット」(写真1)は、人が介在する工程・プロセスの自動化のためのロボットアーム型産業用ロボットである。産業用ロボットがこれまで主に対象としていた製造業以外に、ライフサイエンス分野、研究所などでの活用を想定している。2025年内を目途に日本および欧州で販売を開始し、以降、対象地域を順次拡大する。

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「製造業では近年、熟練労働者の減少に対する課題意識や生産性向上のニーズが高まっている。ライフサイエンス分野では、高精度かつ再現性の高い作業に加え、コンタミネーション(汚染)を防ぐための厳格な衛生管理が求められている。製薬業界や研究所では繊細な作業を安全かつ清潔に行う必要がある」(セイコーエプソン)。これらのさまざまなニーズに応えるため、クリーンルーム対応・高精度制御・直感的な操作性を備えた人協働ロボットの開発に至ったという。
ロボットアームは、製造ラインや研究機関での搬送に適した可搬重量6kg、アーム長900mmクラスを採用。本体重量は17kgと軽量で、移設や再配置が容易である。限られたスペースや運用環境の変化に対し、柔軟に導入できるとしている。
コントローラーは幅44.0/奥行20.5/高さ13.5cm、重量約6kgの小型・軽量設計で、無人搬送車(AGV)や自律走行ロボット(AMR)への搭載を想定している。電源はAC100~230VおよびDC48Vでさまざまな環境に設置できる。
ISO14644-1 Class 5準拠のクリーン搬送能力と、IP54準拠の防塵・防滴性能を標準で装備する。ネジ穴や鋭角なエッジを極力排除した外装設計によって埃や汚れの付着を防いで衛生的な状態を保ち、クリーンルーム環境でのコンタミネーションリスクを軽減する。
動作のプログラミングは、広く使われているPythonで行う。従来の産業用ロボットで必要だった専門的なプログラミング言語を新たに習得する必要がなく、研究開発やシステム開発の現場でスムーズに導入可能であり、カスタマイズも容易である。