コラボレーション コラボレーション記事一覧へ

[市場動向]

米Mattermostが日本法人を設立、政府・重要インフラ向け「ソブリン型コラボレーション基盤」展開へ

OSSかつセルフホスト型の設計で、データ主権やコンプライアンス要件に対応

2026年3月16日(月)鈴木 恭子(ITジャーナリスト)

オープンソースソフトウェア(OSS)のコラボレーションプラットフォームを手がける米Mattermost(マターモスト)は2026年3月11日、日本法人のMattermost Japanを設立したと発表した。設立の理由について、「重要インフラや防衛・政府機関が外部に依存せず、自らデータと運用を制御できる環境を日本に定着させることが目的」としている。同日に開かれた説明会で、米Mattermost CEO兼共同創業者のIan Tien(イアン・ティエン)氏は、「地政学的な緊張と不確実性が一段と高まる現在、組織が自らデータと運用の主権を握るソブリン型の基盤が不可欠だ」と語った。

 米Mattermost(マターモスト)は防衛・政府機関・重要インフラ・金融機関など、ミッションクリティカルな組織向けに設計されたセルフホスト型のエンタープライズ・コラボレーションプラットフォームを開発・提供している。

 同社製品の最大の特徴は、組織が自らデータや運用を管理できる「ソブリン」型の設計であることだ。SlackやMicrosoft Teamsと同様のチャット/コラボレーション機能を備えつつ、データ・インフラ・コンプライアンス・AIの制御を自組織内で管理する。

 同社 CEO兼共同創業者のIan Tien(イアン・ティエン)氏(写真1)は「コラボレーションツールはSaaS(Software as a Service)を利用するのが当たり前の時代、あえてオンプレミス・セルフホスト型にこだわる」と力説する。

写真1:米Mattermost CEO兼共同創業者のイアン・ティエン氏

  同社は世界のネットワークを「レッド」「ブルー」「ブラック」に分類している(図1)。

図1:Mattermostが定義する3つのネットワーク層。「レッド」は対象外とし、重要インフラが運用する「ブルー」と「ブラック」を活動領域と位置づける(出典:Mattermost Japan)
拡大画像表示

 レッドはパブリックインターネットの領域だ。SaaSやクラウドサービスが集まる環境で、だれもが接続できる一方、サイバー攻撃やマルウェアなどの脅威にも常にさらされている。現在の多くのコラボレーションツールはこのレッドの世界を前提に設計されている。

 これに対し、ブルーは製造・エネルギー・公共・政府機関などの重要インフラが運用するプライベートネットワークを指す。外部の脅威から守るため、インターネットから分離された環境で運用されるケースも多い。さらにブラックは、国家安全保障や軍事オペレーションなど極めて機密性の高い情報を扱うネットワークで、最も厳格な隔離とアクセス制御が求められる。

 ティエン氏は「Mattermostが対象としているのはブルーとブラックの領域だ」と強調する。こうした閉域ネットワークでは、外部クラウドに依存したツールが利用できない場合も多い。

「電力、交通、安全保障といった社会を支えるオペレーターほど、隔離された環境で古いツールを使い続けざるを得ない現実がある。私たちはそうした現場に最先端のコラボレーション基盤を届けることを使命としている」(ティエン氏)

●Next:OSS/セルフホスト型がソブリン運用に適する理由

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
  • 1
  • 2
関連キーワード

Mattermost / OSS / 重要インフラ / 官公庁 / 製造 / 公共 / 自治体 / エネルギー / グループウェア / 知的財産 / 機密文書 / 閉域接続 / J-SOX

関連記事

トピックス

[Sponsored]

米Mattermostが日本法人を設立、政府・重要インフラ向け「ソブリン型コラボレーション基盤」展開へオープンソースソフトウェア(OSS)のコラボレーションプラットフォームを手がける米Mattermost(マターモスト)は2026年3月11日、日本法人のMattermost Japanを設立したと発表した。設立の理由について、「重要インフラや防衛・政府機関が外部に依存せず、自らデータと運用を制御できる環境を日本に定着させることが目的」としている。同日に開かれた説明会で、米Mattermost CEO兼共同創業者のIan Tien(イアン・ティエン)氏は、「地政学的な緊張と不確実性が一段と高まる現在、組織が自らデータと運用の主権を握るソブリン型の基盤が不可欠だ」と語った。

PAGE TOP