米Databricks(データブリックス)は2026年6月16日(米国現地時間)、レイクハウスの新製品「Lakehouse//RT」を発表した。新たに開発したクエリー実行エンジン「Reyden」を基盤とし、Delta LakeおよびApache Iceberg形式のテーブルに対して、データの移動やコピーなしにミリ秒単位で応答する。現在はベータ版として提供している。
米Databricks(日本法人はデータブリックス・ジャパン)の「Lakehouse//RT」は、生データを保管するデータレイクと、整備済みのデータを高速に分析するデータウェアハウス(DWH)の特徴を兼ね備えたレイクハウスの新製品である。
特徴は、新たに開発したクエリー実行エンジン「Reyden」を基盤に据え、Delta LakeおよびApache Icebergフォーマットのテーブルに対して、データの移動やコピーなしにミリ秒単位で応答できることである。
従来、低遅延かつ高同時接続数が求められるアプリケーションに対しては、レイクハウスとは別に、クエリーに低遅延で応答するための専用システムを構築していた。しかし、この構成では、DeltaやIcebergのデータを別形式に変換してコピーする必要がある。そのため、レイクハウス側でのデータ更新を同期する仕組みの構築・保守コストが生じるほか、複雑なクエリーに対する性能が劣化する。レイクハウス側のアクセス制御ルールを引き継げないため、ガバナンスの確保も難しくなる。
Lakehouse//RTは、これらの課題を解消する。データの変換もコピーも不要で、レイクハウス上のDeltaとIcebergテーブルに対して直接クエリーを実行できる。
Lakehouse//RTの中核を担うクエリーエンジンのReydenは、非同期型の実行モデルを採用している。従来の分析エンジンは同期型であり、1つのクエリーの完了を待って次のクエリーを処理する。一方、Reydenは複数のクエリーを並行処理するため、同時接続数が増えても遅延時間が跳ね上がりにくい。
ベンチマークテストでは、毎秒1万2000クエリーを100ms未満の遅延時間で処理した。小規模データセットでは10ms程度、大規模データセットでも100ms未満で応答するとしている。
Lakehouse//RTはコンピュートリソースの拡張も柔軟に制御できる。ウェアハウスのサイズを事前に選択する必要がなく、ワークロードに応じてコンピュートリソースを自動的に決定するオートサイジング機能を備えた。また、スケーリングもクラスタ全体ではなくノード単位で増減できるようにして、過剰なリソース増強を防ぐ。
早期導入企業の米Cisco Systemsは、セキュリティ脅威情報の検索用途に試験導入し、応答時間を5倍改善した。広告技術企業の米Magniteは毎秒数百件のクエリーを処理するダッシュボードにおいて主要クエリーの大半が200ms未満で応答するようになった。宇宙通信企業のルクセンブルクSESは、数十億行規模のテレメトリデータを扱う運用ダッシュボードを従来比20倍に高速化し、クエリー専用システムの運用費も削減した。
Databricks / レイクハウス / Iceberg
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