[事例ニュース]
古河電工、データ仮想統合基盤を構築、最短30分でユーザーにデータ提供
2026年7月2日(木)IT Leaders編集部、日川 佳三
古河電気工業(古河電工、本社:東京都千代田区)は、全社横断でのデータ活用を促進するため、データ仮想統合基盤を構築した。Denodo Technologiesのデータ仮想化プラットフォーム「Denodo Platform」を導入し、2026年1月に稼働開始した。データを物理的に統合する場合と比べて工数を8分の1に削減し、データ提供までの時間を最短30分に短縮したという。2026年度内に全社展開を計画している。Denodo Technologiesが2026年6月30日に発表した。
古河電気工業(古河電工)は、1884年創業の大手非鉄金属メーカーである。メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の4つのコア技術を強みに、情報通信やエネルギーインフラ、自動車部品などの幅広い分野で製品を展開している。
同社は、社内システムの多くをスクラッチで開発してきた。経理、営業、購買など部門ごとに縦割りでシステムを管理していたため、各システムのデータがサイロ化し、全社横断でデータを十分に活用できていなかった。「経営層への速報値の提供が難しく、実際の動きとの乖離が生じることもあった。新入社員や中途採用者はデータの所在が分からないなど、情報格差も生まれていた」という。
図1:データ仮想化ミドルウェア「Denodo Platform」の概要(出典:Denodo Technologies) これらの課題からデータの重要性を認識した同社は、データベースなどのデータソースを複製せずに仮想的に統合する「データ仮想統合」のアプローチに注目。Denodo Technologiesの「Denodo Platform」(図1)を選定し、PoCに着手した(関連記事:データ仮想統合ミドルウェア新版「Denodo Platform 9.0」、RAG構成AIシステムの構築を容易に)。
選定にあたって、スクラッチ開発した情報システムで運用中のデータベースへの接続性を重視した。また、クラウドストレージの「Box」に重要なデータを格納していることから、Denodo PlatformがBoxへの接続数に上限を設けていない点も評価したという。
約2カ月間のPoCを経て、2026年1月にデータ仮想統合基盤の稼働を開始した。関係会社の統廃合にあたっては72種類のデータを提供し、完了までは約1カ月半。物理統合と比べて約8分の1の工数で完了できたかたちだ。
社内展開で効果が表れている。「これまでビューの開発をシステム部門に依頼すると3カ月程度待たされることもあったが、今では接続許可を得て最短30分でデータを提供できる」(同社)。また、Boxとの接続により、システム化していないデータを取り出して利用するケースも増えているという。
現時点でのデータ仮想統合基盤の利用者は、経営ダッシュボードで100人以上。経理データの活用なども含めると延べ500人ほどが利用している。
古河電気工業 / Denodo Technologies / データ仮想化 / データ活用基盤 / 製造
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