Denodo Technologiesは2024年7月2日、データ仮想統合ミドルウェア新版「Denodo Platform 9.0」を提供開始した。データベースやWebサービスなど各種のデータソースを、複製することなく生データのまま仮想化し、データアクセスを容易にする。新版では、管理データをベクトルデータ化して外部データベースに同期する機能を追加し、RAG(検索拡張生成)構成の生成AIシステムを構築しやすくしている。
Denodo Technologiesの「Denodo Platform」は、データ仮想統合ミドルウェアである。データベースやWebサービスなど各種のデータソースを、複製することなく生データのまま仮想化することで、データを準備する時間が短くなり、データを利用しやすくする。仮想統合したデータにBIツールなどからアクセスして活用できる(関連記事:データソースを仮想化するミドルウェア「Denodo Platform 8.0」、GraphGLでアクセス可能に)。
データの仮想統合に必要な機能として、複数のデータソースに接続してデータを収集する機能、収集するデータを結合し、任意の切り口でデータモデルを定義する機能、SQL、REST API、GraphGLなど各種のインタフェースでデータモデルにアクセスする機能などを提供する。集計済みデータをRDBMS上にキャッシュしてデータアクセスを高速化する機能も持つ。
データモデルはWeb画面で定義可能である。接続するデータソース(各種データベース、ファイル、クラウドサービスなど)を選び、複数のデータソースをまたがってGUI操作でデータを結合し、データモデルを設計する。その後、設計したデータモデルに対するアクセスインタフェースを選択して公開する。
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新版の9.0では、生成AIシステムとの親和性を高め、RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)構成の生成AIシステムを構築しやすくなった。具体的には、Denodo Platformで仮想化したデータソースのメタデータをベクトルデータ化し、外部に用意したRAGシステム用のベクトルデータベースにニアリアルタイムに同期させる機能を追加した。データソースに更新がかかった際に、これをベクトルデータベースに反映可能である(図1)。
「チャット画面に入力した自然言語をSQLに変換してDenodo Platformに問い合わせる」といったシステムにおいて、機能を検証する仕組みも用意し、以前より構築が容易になるという。