[市場動向]

日立とNTTドコモビジネス、東京・大阪間の災害時復旧を実証、データだけでなくシステム全体を復旧

2026年8月28日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所、日立ヴァンタラ、NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)の3社は2026年8月28日、600km超離れたデータセンター間での災害復旧の共同実証を実施し、データを失うことなく業務を継続できることを確認したと発表した。レッドハットと日本オラクルの協力の下、仮想化基盤、OS、アプリケーションまでを含めたシステム全体を復旧させた。

 日立製作所、日立ヴァンタラ、NTTドコモビジネスの3社は、東京・大阪間に相当する600km離れたデータセンター環境間での災害復旧を実証し、業務を継続できることを確認した(図1)。

図1:災害発生時にアプリケーションを含めてシステム全体を自動復旧する構成のイメージ(出典:日立製作所、日立ヴァンタラ、NTTドコモビジネス)
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 遠隔拠点でのデータ同期の実証は、2024年12月に実施済みである(関連記事日立とNTT Com、ストレージ仮想化と全光ネットワークで東京・大阪間のリアルタイムデータ同期を実証)。

 今回は、レッドハットと日本オラクルの協力の下、データの同期だけでなく、仮想化基盤、OS、アプリケーションを含めたシステム全体を復旧し、実際の業務システムにおける継続性を確認した。

 背景には、社会インフラを担う企業は、災害時でもデータを失わず早期に業務を再開することを求められる事情がある。一方、データを同期できても、OSやアプリケーションを含むシステム全体を自動で復旧させる仕組みは構築が難しかった。

 実証では、ストレージ、仮想化基盤、データベースを組み合わせた実機環境を構築し、災害対策を検証した。主サイトで障害が発生すると、仮想化基盤の高可用性機能が異常を検知し、副サイトへの切り替えからOSやデータベースの起動までをストレージと連動して実行する。

  • オール光ネットワーク:IOWN APN
  • ストレージ:Hitachi Virtual Storage Platform One Block(VSP One Block)
  • 仮想化基盤:Red Hat OpenShift Virtualization
  • データベース:Oracle AI Database

 システムが稼働する主サイトのシステム停止を想定し、副サイトへ切り替えた後、業務を再開するまでの時間と、データ保全性などを評価した。これにより、以下の3点を確認した。

 (1)約10分で業務を再開できた。通常、コールドスタンバイ構成では、ストレージの切り替えは数秒で完了するが、OSやデータベースの起動に時間がかかる。そこで、Oracle AI Databaseの起動・リカバリ処理を、データの一貫性を維持したまま2分弱で完了させるなど、各プロセスを効率化した。

 (2)システム切り替え後もデータの一貫性を維持しながら副サイトでデータベースの稼働を再開できることを確認した。

 (3)マイクロサービス間でリアルタイムに連携できることを確認した。遠隔地に分散したシステムを一体的に運用できる見通しを得た。従来、遠隔地のデータセンター間では、通信遅延の影響から構築が難しかった。

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