日本航空(JAL)は2008年11月28日、新しい航空機整備業務システム「JAL Mighty(ジャル マイティ)」が、日本IBM、IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)およびSAPジャパンとの協業により同月に稼働したことを発表した。
SAPのERPパッケージに含まれる19の標準機能モジュールを使用し構築された日本航空(JAL)の新しい航空機整備業務システム「JAL Mighty」は、約160機の機体、460基のエンジン、50万個の装備品についての整備計画や品質管理、部品在庫管理が可能で、整備士など約6000人のユーザーが利用する。
SAP ERPは、航空機整備業務において世界の航空会社17社(JALを含む)に採用されている。システムの規模において世界最大とされている今回のJALプロジェクトには、イギリスやフランス、南アフリカなど約10カ国から、他の航空会社などへの導入経験を持つIBMのコンサルタントが参加した。
またSAPが提供する最高位のサポートサービス「SAP MaxAttention」を設計段階から採用、ドイツ本社の開発部隊を含め高いレベルでの、技術リスクの最小限化、課題の未然防止を実現してきたという。
システムの稼働にあたっては、ERPパッケージに適応した業務プロセスの標準化や仕事の方法を変えていくためのコンサルティングサービスを主にIBCSが担当し、JAL、日本IBMと協力してシステムを構築。開発は、IBMの開発拠点であるインドと日本の開発拠点が協同で行った。
航空機の整備計画、品質管理、部品在庫管理、整備士の資格管理などに関わる約100の業務システムがSAP ERPパッケージに統合されたことで、業務プロセスの標準化、および情報のリアルタイム化・共有化が図られている。個別の整備システムやデータ管理による業務の煩雑さが軽減され、航空機機材や部品の整備計画、品質管理などの業務が効率化されて生産性が高められるとともに、安全性のさらなる向上も実現可能となった。
日本航空
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日本IBM
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