[新製品・サービス]
シトリックス、デスクトップ仮想化ソフト新版「Citrix XenDesktop 3」をリリース
2009年2月27日(金)IT Leaders編集部
シトリックス・システムズ・ジャパンは2009年2月24日、デスクトップ仮想化ソフトの新版「Citrix XenDesktop 3」を発表した。Windows XP/Vistaのデスクトップ・イメージをサーバー上に仮想化して集約し、オンデマンドで配信する。 ストリーミング技術などを追加し、ユーザーの使い勝手を向上させたのが特徴だ。
シトリックス・システムズ・ジャパンの「XenDesktop 3」は、WindowsXP/Vistaのデスクトップ・イメージをサーバー上に仮想化して集約し、オンデマンドで配信するソフトウェア。データセンター内の仮想マシンやブレードPCを、企業内のPCやシンクライアントといった物理端末から遠隔操作できる。
今回発表した新版では、HDX(High-Definition user eXperience)と呼ぶ技術を採用し、これまでデスクトップ仮想化環境の弱みとされたマルチメディアのサポートを強化した。
具体的には、「Citrix HDX MediaStream」技術を実装。圧縮したマルチメディアのストリーミング・データを送信し、ローカル端末の資源を利用して表示・再生することにより、処理性能を高速化している。MP3プレーヤーやデジタルカメラ、スマートフォン、スキャナなどのローカルの周辺機器に対応するための「Citrix HDX Plug-and-Play」機能や、低帯域ネットワーク環境でのパフォーマンスを高速化する「Citrix HDX Broadcast」技術も組み込んだ。
このほか、機能上位版の「Advanced Edition」と「Enterprise Edition」は、単一のデスクトップ・イメージを複数ユーザーで共有するプロビジョニング機能や、ユーザーごとに個別の設定やアプリケーションを組み込んだデスクトップ環境を提供するプロファイル管理機能を備える。
同製品は、ネットワーク上にあるクライアント機に対して、Windowsのデスクトップ環境を提供するソフトウェア。一般的には、サーバー仮想化ソフト「XenServer」を使ってデータセンター側にユーザーごとの仮想マシンを用意する。ここでOSやアプリケーションを動かし、そのデスクトップ画面をイメージとしてクライアント端末に配信するのがXenDesktopの役割だ。これにより、画面転送型のシンクライアント型システムを構築できる。
新版には「HDX MediaStream」と呼ぶストリーミング機能を実装した。音声やビデオなどのマルチメディアデータをクライアント機にストリーミングし、ローカルで再生処理を担う。「サーバーに余計な負荷をかけず、クライアント機の持つリソースを有効活用できる」(シトリックス)とする。そのほか、ユーザーごとのプロファイル管理や、スマートカードへの対応などの機能を強化した。
XenDesktopには、Enterprise、Advanced、Standard、Expressの4エディションがある。ストリーミングに対応するのがEnterprise、Advancedのみなど、使える機能のバリエーションによってエディションが分かれている。最小構成価格は、Enterprise Editionが27万6250円、Advanced Editionが18万2750円、Standard Editionが7万550円。いずれも、5同時接続デスクトップ分のライセンスと、1年間のSubscription Advantage(ソフトウェア更新サービス)を含む。