[事例ニュース]

松井証券、VDIシンクライアントを「セキュアFATクライアント」に切り替えて性能と利便性を向上

秘密分散ストレージ「ZENMU Virtual Drive」を採用

2025年6月19日(木)IT Leaders編集部

松井証券(本社:東京都千代田区)は、VDIベースのシンクライアント環境を「セキュアFATクライアント」へと切り替えた。情報を暗号化して分散管理する秘密分散技術を備えたZenmuTechの「ZENMU Virtual Drive」を採用し、PCを紛失してもデータが漏洩しない仕組みを導入している。ZenmuTechが2025年6月18日に発表した。

 ネット証券会社の松井証券は、2019年にVDI(デスクトップ仮想化基盤)を導入し、社用の全端末をPC(ファットクライアント)からシンクライアントにリプレースした。

 しかし、少数のサーバーに多数のデスクトップ環境を集約するVDIは、一部の利用者が重い処理を実行するとシステムに負荷がかかり、他のユーザーの環境に性能低下の影響を及ぼす。事業成長に伴ってユーザー数が増えるにつれ、性能の問題が顕在化していったという。

「協力会社のスタッフは、重たい処理を端末で行うことが多く、スタッフの入れ替わりも頻繁である。ファットクライアントの使い勝手や性能を維持しながら、情報漏洩対策の強度をシンクライアントと同レベルに引き上げなければならなかった」(松井証券)

 そこで、2023年にVDI環境を刷新し、それと共に社用端末の約半数をファットクライアントに戻すことにした。その際、クライアントセキュリティ管理/情報漏洩対策として、秘密分散技術を備えた「ZENMU Virtual Drive」の採用を決めた(関連記事秘密分散ストレージ「ZENMU Virtual Drive」、分散片をスマートリングに保存可能に─ZenmuTech)。

 秘密分散はデータを複数に分割して無意味化し、定められた数の片がすべて揃わないとデータを復元できないようにする保護技術である。ZenmuTechは、ZENMU Virtual Driveを導入したPCを「セキュアFATクライアント」と呼んでいる。 

 導入作業を2024年4月に行い、システム関連業務を委託している協力会社のスタッフが使う200台の端末がZENMU Virtual Driveを利用する(図1)。

 松井証券にとっては、VDIのライセンス料が上昇する中で、コスト削減に寄与するシンクライアントの代替となる選択ができたことも大きかった。物理的なVDIサーバー台数を以前の30%まで減らせたという。

図1:松井証券が導入した「セキュアFATクライアント」の構成(出典:ZenmuTech)
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