デルとマイクロソフトは2009年9月7日、両社の製品を組み合わせ、企業の生産性向上と長期的な競争力強化を支援するエンタープライズ分野のソリューション提供で協業を強化することを発表した。
協業強化の対象となるのは、以下の4項目。
- データセンターの仮想化インフラ
- ユニファイド・コミュニケーション
- デスクトップ環境の最適化
- データベースマネジメント
両社は、エンタープライズ分野での協業チームを組織し、セミナー、案件の提案やシステム構築支援などを共同で実施していく。各項目での協業内容は以下のとおり。
1. データセンターの仮想化インフラ
製造業、金融、サービス業などの大企業を対象に、デルのシステム運用管理ツール、「Dell OpenManage」のハードウェア管理機能を、マイクロソフトの運用管理ソフト「System Center」へ統合することで、データセンター仮想化に最適なインフラの構築と、仮想化技術による運用基盤の最適化および標準化を提供する。それにより、企業ユーザーはプラットフォームからアプリケーションまでのインフラを包括的かつ一元的に管理可能となる。
また、デルは、同社のシステム導入支援コンサルティングサービス「プロ・コンサルト」に含まれる「データセンター仮想化コンサルティング・サービス」により、ワークショップからアセスメント、設計、導入のサービスまで、顧客の課題に対応していく。
2. ユニファイド・コミュニケーション
マイクロソフトのOffice Communications Server 2007 R2とExchange Server 2010およびExchange Server 2007を、企業ユーザーのメッセージング環境に合わせ、デルのプロ・コンサルトで一括設計および構築し、顧客の業務効率向上を支援するユニファイド・コミュニケーションを可能にする。デルの東日本支社内(東京・港区)に設置された「デル ソリューション・イノベーション・センター」にユニファイド・コミュニケーションのデモ環境を整備し、顧客への提案から導入までをサポートする。
3. デスクトップ環境の最適化
最新のクライアントOSであるWindows 7を中心に、大規模なクライアントPCの運用上の課題解決や、生産性や利便性を向上するクライアント環境の最適化や仮想化について、デルのプロ・コンサルトを用いて実施。多様なワークスタイルに対応する“理想のデスクトップ環境”に関するワークショップや、Windows 7への移行に関する社内環境アセスメント、互換性検証後に正常に動作しないアプリケーションに関するApplication Compatibility Reportの作成と、Windows7対応評価結果の報告(サービス名:ACF PoCサービス)などのコンサルティングサービスをデルが提供する。ユニファイド・コミュニケーション同様、デル ソリューション・イノベーション・センターにデモ環境を整備し、顧客に実際に体験してもらうことで理解促進を図る。
4. データベースマネジメント
ERPやECサイトなどのデータベース環境におけるUNIXプラットフォームからのWindowsプラットフォームへの移行を促進し、企業ユーザーのシステム保守費用や消費電力の削減を支援する。また、大規模企業向けBI(ビジネス・インテリジェンス)プラットフォームとして、マイクロソフトのデータベース製品「SQL Server 2008」とデルのサーバーを組み合わせた検証済み構成の製品「SQL Server Fast Track Data Warehouse」を提供する。
そのほか、中小規模向けBIソリューションをメニュー化して提供し、新たな需要を開拓するとともに、顧客それぞれのニーズに合ったサービスを提供するとのこと。なお、今回のソリューションメニュー提供にあたって、デルは、マイクロソフト認定のラージアカウントリセラーとして最適なライセンスを、ボリュームライセンスプログラムで提供する。
両社は、今後も各企業の多様なニーズに幅広く応えるソリューションの提供に向けて取り組んでいくとしている。
マイクロソフト
http://www.microsoft.com/japan/