1カ月間に発表された主要なユーザー事例を紹介する、ニュースフラッシュ ユーザー事例編。製造業や金融業、その他のユーザー企業の情報システム導入・構築事例から12個の事例を取り上げた。
セキュリティ [金融業]
三菱UFJニコスがフィッシング詐欺対策を強化
クレジットカードの申し込みや商品情報提供などインターネットサービスのセキュリティ向上が目的。フィッシング詐欺による個人情報流出が世界各国で頻発するなか、対策強化が不可欠と判断した。RSAセキュリティのフィッシングサイト閉鎖サービス「RSA FraudAction」を利用。偽装されたフィッシング詐欺サイトを、発生から平均5時間で閉鎖できるようになった。 (2009/8/17)
ストレージ [製造業]
三井住友建設、データ圧縮システム導入
CADデータや工事現場で撮影する写真データなどを保管するストレージシステムに導入した。同社では設計や工事などで日々大量のデータが発生しており、ストレージの購入や運用コストの削減が課題となっていた。システムは東京エレクトロン デバイスのデータ圧縮アプライアンス「STN-6000p」(開発:米Storwize)を利用して構築し、09年3月に稼働している。 (2009/8/18)
映像配信 [金融業]
鹿児島銀行が映像研修システム導入
本支店132店舗に導入した。各店舗に専用ディスプレイを設置。営業時には顧客向けの広告を表示し、営業時間外に行員向けの教育コンテンツを配信する。映像を使ったオンライン研修の活用でコスト削減を狙う。OKIの金融機関向け情報配信システム「ブロードメッセンジャーV」とIP遠隔映像配信講義システム「LiveOnAir 3.0」を組み合わせた「情報配信システム」を採用した。 (2009/8/20)
サーバー仮想化 [製造業]
ミカサ、基幹システムのサーバー統合へ
スポーツ用ボールなどを製造するミカサ(本社:広島県広島市)が、これまで個別のサーバーで運用していた複数の業務システムを、仮想化技術を用いてブレードサーバー上に統合する。ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware」とブレードサーバーを利用して新システム基盤を構築。バックアップシステムにはファルコンストア・ジャパンの「FalconStor CDP」を採用。09年6月に統合を開始した。 (2009/8/20)
グリーンIT [その他]
ライブドア、サービス基盤サーバーを刷新
同社が運営するポータルサイトやデータセンター事業「DATAHOTEL」のシステム基盤を刷新した。1万台におよぶサーバーを運用する同社では、消費電力の削減が大きな課題になっていた。新システムではサン・マイクロシステムズの省電力型サーバー「Sun Fire X4150」を採用し、従来比最大30%の消費電力削減を目指す。新システムは09年4月に稼働開始した。 (2009/8/20)
需要予測 [その他]
ミスターマックスが需要予測・発注自動化システム導入
09年8月に全42店舗への導入を完了させた。在庫削減と販売機会の最大化が狙い。日本IBMのIAサーバー「IBM System x」を中心とした商品管理システム「カテゴリー・プロフィット・マネジメント」を採用。IBM ビジネスコンサルティングサービスがコンサルティングと構築を担当した。在庫の10%削減や、店頭での商品欠品率が半減するといった効果がすでに現れているという。 (2009/8/25)
ビジネスインテリジェンス(BI) [その他]
良品計画がBI基盤導入へ
連結会計データの蓄積・分析の効率化が目的。同社は毎月、国内外にある16の子会社から経営状況を集約している。だが報告形式が子会社ごとにバラバラで、財務報告書作成に多大な時間がかかっていた。アルテアエンジニアリングのBI基盤製品「HiQube」を導入し、報告プロセスを統一する。月間20人時かかっていた月次報告書の作成時間を半減させるなどの効果を狙う。 (2009/8/26)
SaaS/顧客関係管理(CRM) [その他]
日本通運、SaaS形式のCRMシステム導入
セールスフォース・ドットコムの「Salesforce CRM」を採用。グループ全社の法人向け営業要員を中心に6000人が利用する。国内や海外37カ国で事業展開している同社は、各現地法人が個別に顧客情報を管理していた。だが国際取り引きの増加で営業先の重複が多くなり、顧客情報を一元化する必要性に迫られていた。09年8月からシステムの利用を順次開始している。 (2009/8/27)
セキュリティ [その他]
日本航空、機体整備システムに電子認証基盤導入
ボーイング787の機体整備を対象に導入した。機体と空港施設間を、アクセス認証やデータ暗号化を施したネットワークで接続。整備士が整備データを機内から安全に送受信できるようにした。従来は情報漏洩防止のため、整備士がコクピットにCD-ROMなどの物理メディアを持ち込んで作業していた。日本ベリサインの電子認証サービス「ベリサイン マネージドPKI」を採用した。 (2009/9/1)
SaaS [その他]
農業協同組合、ポイント管理システムにSaaS採用
「JAポイントシステム」にSaaSを採用した。JAでは、組合員が銀行や保険といったJAの各種事業を利用した際、現金換算可能なポイントを付与している。ポイントの発行や照会を管理するシステムを構築する上で、各地のJAの負荷を抑えるためSaaSを選択した。NECのデータセンターで運用管理し、各地のJAがネット経由で利用する。09年4月に導入を開始。 (2009/9/3)
データウェアハウス(DWH) [製造業]
ニコン、原価計算システムを刷新
09年7月に本格稼働を開始した。従来のシステムは約30年前にメインフレーム上に構築したもので、時代に応じた部分改修が困難になっていた。新システムではオープン環境に移行。J-SOXなどの法制度への即応体制を整えた。システムには日本ユニシスのDWH構築支援ツール「MartSolution」などを採用。最初の1年を要件定義に費やし、その後の1年間で本格稼働にこぎつけた。 (2009/9/4)
業種システム [その他]
吉野家が店舗業務システム刷新
全店約1155店舗で利用する。1996年から稼働している現行システムでは機能拡張が困難で、法制度の改正に即応できないことから刷新を決断した。システムはガルフネットの店舗業務システム「Gulf-CSM」とグループウェア「Gulf-Star」などを採用し、インテックが構築。09年2月に本格稼働している。今後はグループ内の他業種店舗にも利用を広げる考えだ。 (2009/9/8)