レッドハットは2009年10月21日、ビジネスルールの管理システム(BRMS)の新製品「JBoss Enterprise BRMS 5.0」の提供を開始すると発表した。本製品はオープンソースのビジネスルール管理システムで、2009年5月に米国でJBoss製品として初めて公式なBRMS製品として発表された。今回日本市場に投入されることになり、同日よりレッドハットのウェブサイトよりダウンロードによって提供される。
ビジネスルール管理システム(BRMS)とはいわゆる業務ポリシーの作成、管理、配備を行なうソリューションだが、一般的にそのソフトウェアライセンス費用は高額であるため、現状は特殊なシステム領域に限定して利用されている。しかし、法規制の変更やマーケットごとに異なる要請など、複雑で変化の激しいビジネスに企業として即応するには、ビジネス担当者による柔軟な意思決定と判断が必要である。本製品は、そのために必要なビジネスとITの同期に貢献する。BRMSを利用することで、ビジネス判断を下す立場にあるビジネス担当者が、IT技術者や管理者を介することなく、直接細かいルールを設定して必要なアクションを適宜、選択することができるようになる。
「JBoss Enterprise BRMS」はコミュニティにおいて開発された「Drools Project」をベースに改良を加えて製品化されたもので、次のような特徴を持っている。
オープンソースルールエンジン Drools 5を採用
JBossオープンソースコミュニティ(JBoss.org)で活動しているオープンソースルールエンジンのパイオニアDroolsの「Drools 5.0」をルールエンジンとして採用。レッドハットは今回、JBoss Rulesに対して統合的なルール管理と実行基盤を「JBoss Enterprise BRMS 5.0」として体系化し、企業向けのオープンソースミドルウェア製品として新たに構成している。
操作性の高い、日本語対応のルール管理とルール記述
ルール管理のためにリッチユーザインターフェースを採用し、豊富な操作性を提供する日本語対応の管理コンソールを採用している。ルールに日本語を選択できるので、ITシステムに精通していないビジネス担当者でもわかりやすいGUI操作で日本語ルールを編集・管理できる。
動作プラットフォームを選ばない柔軟なアーキテクチャ
すべてPure Javaで実装されたJavaルールエンジンとルール管理システムおよびルールリポジトリで構成された柔軟なアーキテクチャで提供。Pure Javaで実装されたルールエンジンは、ほとんどのすべてのJavaの実行環境で動作するので、JBoss Enterprise Application Platformのみならず、ほぼすべてのJavaのアプリケーションと完全に統合できる。これにより、既存の業務アプリケーションにも容易に適用できる。
コンサルティングサービスの提供
製品を熟知したコンサルタントが、「JBoss Enterprise BRMS カスタムトレーニング」、「導入サービス」、「ルールエンジン/BRMS 移行サービス」により、BRMSシステムの確実な実装を強力に支援する。
「JBoss Enterprise BRMS 5.0」のテクニカルサポート、製品アップグレード、修正プログラムを含む年額のサブスクリプション費用は、4CPUあたり394万8000円(税別)から。
レッドハットは、初年度1年間で「JBoss Enterprise BRMS 5.0」の販売数100セットを目指すとしている。
また同社は、「JBoss Enterprise BRMS 5.0 クイックスタートセミナー」を11月より毎月、レッドハットの恵比寿オフィスで開催する。このセミナーはハンズオン形式になっており「JBoss Enterprise BRMS 5.0」の技術内容を短期に習得できるカリキュラムである。受講は無料で、レッドハットのセミナー申し込みページより申し込むことができる。
JBoss Enterprise BRMS
http://www.jp.redhat.com/JBoss/products/platforms/brms/
JBossウェブサイト(セミナー申し込みなど)
http://www.jp.redhat.com/JBoss/
レッドハット
http://www.jp.redhat.com/