日本IBMは2010年2月9日、プロセサ「POWER7」と、それを搭載するサーバー「Powerシリーズ」を発表した。アプリケーションの性格に応じた処理能力を提供できる点を売りに、他社製サーバーなどからの移行を促す。
プロセサの概要

「POWER7」は製造技術に45nmプロセスを採用し、動作周波数は最大4.14GHz。最大8つのコアを搭載し、各コアは4スレッドを処理するので、32スレッドを並列処理できる(「POWER 6」は2コア、最大4スレッド)。
通常はプロセサの外部に配置するL3キャッシュをプロセサに内蔵し、コアからL3キャッシュへのアクセス速度を6倍に高めるといった技術も盛り込んだ。またL3キャッシュはeDRAMであり、SRAM型に比べて電力消費を5分の1に抑えたのも特徴だ。理論上は、1プロセサで200GFLOPS超の性能を発揮する。
実装するメモリーの最大10倍までを仮想的にアプリケーションへ割り当てる「Active Memory Expansion」も、POWER7で初採用した技術。メモリー容量に大きく依存するアプリケーションに有効で、「例えばSAP ERPにメモリーを50%増しで割り当てると、トランザクション処理が65%以上向上する」(パワーシステム事業部の高橋信部長)。
サーバーの概要

POWER7搭載のサーバー、「Powerシリーズ」は合計で4機種。最上位モデル「Power 780」は、POWER7を最大8個搭載可能。POWER7を2種類のモードに切り替えて運用できる。「TurboCore」と呼ぶモードは、8コアではなく4コアだけを稼働させる代わりに、動作周波数を通常時の3.86GHzから4.14GHzに引き上げる。コアあたりのキャッシュの割り当てを増やし、データベース処理やデータ分析を高速化する。「MaxCore」と呼ぶ標準モードは、Webアプリケーションなど一般的な用途向けである。
ほかに中大規模向けのPower770、中規模向けの同750、科学計算向けの同770がある。2010年中をメドに、最大32個のプロセサを搭載可能なハイエンド機を発表する予定だ。
OSはLinux、AIX、およびIBM i(770を除く)の3つ。仮想化ソフトにはPOWER Hypervisor、管理ツールにはIBM System Director for Powerが利用できる。
製品の価格
想定する用途は、サーバー統合やレガシーマイグレーションなどプライベートクラウド向け。価格(税別)は最下位モデル「Power 750」が546万5100円から、最上位モデル「Power 780」が2788万8400円からなど。
同社は旧モデルや他社製サーバーからの移行を支援するプログラムも発表した。POWER6搭載サーバーをリース契約するユーザーに対し、月々の支払いを同額のままアップグレードできる「Power対象テクノロジー・アップデート・オファリング」や、固定資産税や手数料などをリース料金に含む「Power Rewards移行促進0%リース・プログラム」を展開して移行を推進する。 (折川)