NECは2010年4月2日、仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter(バーチャルピイシイセンター)」を強化し、同日より販売活動を開始すると発表した。またあわせて、仮想PC搭載数を従来比約2倍にした仮想PC型シンクライアント専用外部ストレージ「VPCC SAN セットストレージS3」を発売すると発表した。
発表された強化は、仮想化基盤ソフトウェアとして新たに「Microsoft Windows Hyper-V 2.0」(以下Hyper-V 2.0)に、クライアントOSとして「Windows 7」に対応するとともに、仮想PCに必要なディスク容量の削減と生成時間の短縮を実現するオプションを追加。さらに、大規模システム向けに、クライアント端末から仮想PCへ自動接続させるセッション管理機能も拡張した。
強化ポイントは以下のとおり。
- 仮想化基盤ソフトウェアおよびクライアントOSを拡充
VirtualPCCenterの仮想化基盤ソフトウェアとして、「VMware vSphere 4」に加えて、「Hyper-V 2.0」に対応。また、両仮想化基盤ソフトウェア上で稼働するクライアントOSとして、Windows 7に対応し、幅広い顧客ニーズに対応が可能。 - 「仮想PCディスク共有オプション」を発売
VirtualPCCenterの追加オプションとして、 NECがこのたび新たに開発した、仮想PCのクローン(同一の仮想PC環境)を生成するソフトウェア(4000円/ユーザライセンス)を発売。同ソフトウェアは、仮想PCを「マスタイメージ」+「差分データ」で管理し、ストレージ上では個々の仮想PCの差分データのみの容量を確保して仮想PCに必要なディスク容量の削減が可能。なお、仮想PCは、マスタイメージを活用し差分データのみより作成するため、大量の仮想PCを素早く生成可能。同オプションにより、共用仮想PC方式をより効率的に実現することが可能となる。 - 大規模システム向けにセッション管理機能を拡張
クライアント端末から仮想PCへ自動接続させるセッション管理数を最大4万まで拡大。これにより、万単位のクライアントを有する大規模システムを必要とするような全国に支店のある企業においても、セッション管理先を意識することなく同一の手順で仮想PCの利用が可能。 - 仮想PC搭載数を従来比約2倍に向上した「VPCC SAN セットストレージS3」を発売
仮想PC型シンクライアントシステム専用の低価格外部ストレージにおいて、コントローラ性能強化やキャッシュ容量増量により仮想PC搭載数を従来比約2倍に向上した「VPCC SAN セットストレージS3」を発売。大容量HDD搭載モデルを拡充したことでラック設置スペースを約半分に削減可能。「仮想PCディスク共有オプション」と同製品を組み合わせることにより、共用仮想PC方式のより効率的な実現が可能となり、初期導入コストを従来比で約30%削減が可能。
「VPCC SANセットストレージS3」の価格は240万2000円(税別)より。2010年4月5日より出荷される。