日本IBMは2010年5月25日、同社とHARPが北海道から受託した「自治体クラウド開発実証事業(北海道)」委託業務の基盤に、ブレードサーバー「IBM BladeCenter」シリーズや、クラウド・コンピューティング環境を実現するためのソフトウェア「IBM Tivoli Service Automation Manager」、ならびに業界標準に準拠したSOA環境を実現するためのソフトウェア「IBM WebSphere Process Server」などのIBM製品が採用されたことを発表した。また同社は、これらの製品を活用したクラウド基盤を構築するために、HARPへの技術支援を実施すると発表した。
この実証事業は、地方公共団体が業務サービスを低廉かつ効率的に共同利用することを目指し、クラウド・コンピューティング環境で電子申請システムなどの住民サービスの利用を検証するもの。実証事業の期間は、翌年3月までの予定。
実証事業では、道内市町村で共同利用する電子申請システムなどのアプリケーションを、クラウド・コンピューティング技術を活用し、必要なものを必要な時に柔軟に提供できるSaaS方式で提供する環境を整備。また、柔軟性の高いSaaSアプリケーションを実現するために、業務処理ごとの単位で業務機能をサービス化し、必要に応じて連携させてシステムを構築する設計手法であるSOA(サービス指向アーキテクチャー)を採用し、将来にわたるシステムの柔軟性、拡張性を実現する。
実証事業では、北海道を中心に多くの自治体での電子申請システム構築や運用経験、また共同アウトソーシングを活用したシステムの実績を多く持つHARP社が、全体の設計、構築、ならびに運用サポートを実施する。また、今回の実証事業で構築するインフラは、クラウド・システムで多くの実績を持つ IBMのブレードサーバー「IBM BladeCenter」シリーズや、クラウド・コンピューティング環境を実現するためのソフトウェア「IBM Tivoli Service Automation Manager」、ならびに業界標準に準拠したSOA環境を実現するためのソフトウェア「IBM WebSphere Process Server」などが採用され、同社はHARP社に対し、これらの製品を用いたクラウド・コンピューティング環境構築の支援作業を提供する。
なお、この実証事業には、ふるさと納税や人事給与、公有財産管理などのアプリケーションサービスを提供する道内の民間ASPならびにSaaS事業者数社も協力する。北海道は、今回の実証事業のためのクラウド環境を、実証事業後も引き続き共同アウトソーシングのITインフラ環境として活用することも検討している。
日本IBM
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