ユニアデックスは2010年12月13日、システム障害の切り分けを特定しづらいクラウド時代の運用管理業務を可視化し、障害発生と影響度を瞬時に把握して、障害の未然防止も可能となる「統合システムマネジメントサービス」を、2011年1月から提供開始すると発表した。
現在、「所有から利用」の流れの中で、パブリック型クラウドサービスだけでなく、仮想化技術を駆使したプライベート型クラウドサービスを構築し、機密性を高めて利用する気運が高まっているが、同社によれば、仮想化環境による複雑さやシステムが手元にない事情から、障害の切り分けや特定が困難になっており、迅速な障害通知やリカバリーのための運用管理が課題となっている。
同社は、そうした課題に対応するため、情報システム部門のみならず利用部門までも含めた迅速な障害通知と、影響度の分析・障害を未然に防ぐ提案を組み合わせた能動的運用サービスを体系化し、「ユニアデックス統合システムマネジメントサービス」として開始する。同サービスは、従来システム障害が発生してから対処を始めるなど、受動的になりがちだった企業の運用管理業務を改善するためのもので、以下の3つの考え方に基づく。
- 業務インパクトの可視化と影響度の分析
パソコン、サーバー、ネットワークなど情報システムの利用環境を調査し、企業のビジネスに与える重要度を評価・分析。障害発生時に企業のエンドユーザー対応にどのような影響が出るかまでを含めた影響度分析などを行って、これらに基づく運用設計を提供する。 - 改善提案と未然防止
各サーバーから収集する稼働ログ(CPUの稼働状況、システム性能、障害発生状況など)を評価・分析し、改善提案を実施。またそれらの結果から対策を事前実施することにより、障害発生等を未然に防止する。 - 運用業務の標準化
上記2つによって改善される運用管理フローが企業ごとに標準化されるよう、「ITIL(IT Infrastructure Library)」に代表される運用管理標準などを活用。さらに業務遂行時に発生した課題に対する継続的な改善を行い、サービス品質を維持・向上する。
これらの考え方に基づき、これまで現場のSE個人の裁量で“気の利いたサービス”として部分的に提供されるにとどまっていたサービスの明確なメニュー化を進め、順次ラインアップを拡大していく。第一弾として今回は、以下の2種類のサービスを投入する。
- 「業務インパクトアラートサービス」
障害影響度を経営レベルで瞬時に把握可能なサービス。事前アセスメントに基づき、システム障害が発生した場合、経理・購買・営業・開発・事業・経営などの関連基幹部門に発生する影響(精算システム、生産管理システム、営業管理システムなど利用不可)を速やかに通知する。サービス料金は、5万円/月(税込み)から。 - 「改善&障害未然防止アドバイスサービス」
経理・購買・営業・開発・事業・経営など関連基幹部門ごとのCPUの使用率、メモリーの使用率、ネットワークのトラフィック量、ログ解析などを評価/分析し、「○○日後にディスク容量がなくなりシステム障害が発生します」などの予測を報告すると同時に、改善策や未然防止策などの提案を実施することで、業務に影響を与える障害発生を低減する。サービス料金は、15万円/月(税込み)から。
これらにより、ユーザー企業は経営レベルでシステム障害を把握し、影響を最小限に抑えられるほか、システム上強化するべきポイントが明確化され、無駄のない適材適所の投資戦略を実行できるとしている。
ユニアデックス
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