東芝は2010年12月24日、高さ約87mm(2Uサイズ)というコンパクトでメンテナンス性の高い産業用サーバ「FS5000S」を同日から販売すると発表した。同社は、従来から販売している通信・放送設備や工場の監視制御システム向けだけでなく、今後新たに高いセキュリティ性能が求められるビルや学校などにも販路を広げ、売上拡大を目指すとしている。
同社の産業用サーバは、家庭やオフィスで用いられる汎用サーバに比べ広範囲な周囲温度環境(5℃~40℃)下で安定した稼働ができ、発売後5年間、同一モデルの製品供給を行うのが特長である。これまでは、放送や通信、電力や工場などの監視制御コンピュータとして販売されてきた。
そして「FS5000S」は、ユーザー自身が容易に部品を交換でき、安定して24時間連続稼働する情報管理サーバとして提供される。同製品は、そのメンテナンス性の高さなどにより、従来一般の汎用サーバが用いられているビルや学校、駅、店舗などのセキュリティシステム向けにも適している。
「FS5000S」の主な特徴は次のとおり。
- CPUに「インテル Xeon クアッドコアプロセッサ」を最大2基搭載
インテル社製CPU「Xeon クアッドコアプロセッサ(L5518/2.13GHz)」を最大2基まで搭載可能で、クイックパスインターコネクトなどの先進技術により一層の高速処理が可能である。また、上位機「FS10000S」と同じSAS仕様のHDDを採用している。 - 交換部品のメンテナンス性、セキュリティ機能向上
電源ユニットを本体前面から交換できる。また、リチウム電池、HDD、ファンユニットの交換も本体前面から可能で、メンテナンス性を追求している。鍵付き前面扉の装備によりセキュリティ性を向上している。 - 東芝製RAIDコントローラによる障害発生時の解析時間の削減
同社製RAIDコントローラを搭載し、障害発生時の解析を短時間で正確に行うことを可能とし、障害からの迅速な復旧を可能とした。 - 低消費電力化/RoHS対応部材の採用による環境配慮設計
低消費電力部品の採用により、従来機種に比べ約5.3倍(「FS5000」との比較)の高速処理を従来機種と同等の消費電力で実現することにより、エネルギー消費効率を約4.8倍にした。また、メインボードなど自社設計のボードに鉛フリーはんだを使用しているほか、RoHS指令対応部材を標準採用している。 - 長期安定供給、長期保守サービス
発売後5年間、同一モデルの製品供給を行い、販売終了後さらに継続して7年間(有償オプションにより最長10年間)の保守サービスを行う。長期安定供給により、システムや装置への継続適用や段階的なシステム拡張増設も安心して行える。
「FS5000S model 2000シリーズ」の標準価格(税別)は、146万9000円~。
CPU:インテル Xeonクアッドコアプロセッサ(L5518/2.13GHz)最大2プロセッサ。本体サイズ:幅434mm×高さ87mm×奥行き592mm(突起部不含)、2Uラックマウント。