[新製品・サービス]

米HP、アプライアンスやストレージ製品群を大幅強化

2011年6月9日(木)

米ラスベガスで開催中の、米ヒューレット・パッカードのユーザー向けカンファレンス「HP DISCOVER 2011」(2011年6月6日~10日)。会期中には数多くの新製品/サービスを発表。ここでは、注目の発表が多かったハードウェア、アプライアンス分野の新製品に絞って紹介する。

[アプライアンス] BigDataやクラウド移行に焦点

システム構築を迅速化するためのインフラ基盤として、ハードウェアとソフトウェアを事前構成したアプライアンス製品と構築サービスなどを組み合わせた製品群「HP Converged Systems」を発表した。プライベートクラウド構築や、ペタバイト級の大量データ、いわゆる“BigData”処理に焦点を当てる3製品を揃えた。

プライベートクラウド向けの製品は、構築レベルに応じて2製品を揃えた。中核となるのは、2011年1月に発表した「HP CloudSystem」である。VMwareやHyper-Vといった仮想化ソフト向けに性能検証や動作確認を済ませたアプライアンス「HP CloudSystem Matrix(旧HP BladeSystem Matrix)」に、仮想サーバー上へのソフトウェアやミドルウェアの配備機能を持つ管理ツール群「HP Cloud Service Automation」などの運用の自動化機能を搭載。サービスカタログやセルフサービスといったクラウド構築に必要な機能を網羅する。

もう1つは、仮想化によるサーバー統合を目的とした新製品「HP VirtualSystem」だ。CloudSystemからサービスカタログなどの機能を廃し、仮想化ソフトの稼働環境のみを迅速に構築することに重きを置いた。「プライベートクラウドの構築に二の足を踏む企業が少なくないため、仮想環境のみに特化することで導入の敷居を下げる」(Converged Infrastructure担当バイスプレジデントのダンカン・キャンベル氏)。詳細は明らかにしていないが、HP VirtualSystemからHP CloudSystemへのアップグレードパスも用意するという。

BigData向けの製品である「HP AppSystem」は、大規模データ分析用途などに焦点を絞ったアプライアンス製品群だ。2011年2月に買収を発表した米バーティカの分析ソフトウェアを初めて搭載した新製品「HP Vertica Analytics System」は、その1つ。列(カラム)単位でデータ処理することで参照処理を高速化するカラムストア型DBを採用。行単位でデータ処理するリレーショナルDBなどの従来型DBに比べ、クエリー処理を50~1000倍高速化できるという。ほかにも米マイクロソフトと共同開発したデータウエアハウスアプライアンス製品「HP Business Data Warehowse Appliance」などの新製品を投入する。

[ストレージ] 既存製品と買収製品の基盤ハードを統一

IBRIXにLeftHand Networks、3PAR。HPがここ数年買収してきたストレージ企業の製品と、「Enterprise Virtual Array」などのHPの既存製品を、同一の製品群「HP Converged Stroage」に統合すると発表した。具体的には、ハードウェアをブレードサーバーシステム「HP BladeSystem」をベースとしたものに統一。旧IBRIXのNASストレージや旧LeftHandのiSCSI SANストレージ向けには、ストレージのスケールアウトを可能にするソフトウェア「Store360」を共通して用意する。

新製品も発表した。EVAの新版である「HP P6000 Enterprise Virtual Array (EVA)」は、サーバーに割り当てるストレージ容量を物理容量よりも大きく見せかける「シンプロビジョニング」機能を備える。大規模向けNASストレージ「HP X9000 IBRIX Storage Systems」は、スナップショットを100万個以上取得可能にするなどコンプライアンス向け機能を充実させた。小規模向けNASストレージの「HP X5000 G2 Network Storage System」は、従来製品である「X3820 2-Node Network Storage System」に比べて消費電力を最大58%抑えた。

基調講演の様子など、詳細は本誌2011年7月号で詳説する。

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