OSS(オープンソースソフトウェア)のサポート・サービスなどを手がけるSRA OSSは2011年6月16日、OSSの種類やシステム規模といったサポート対象の制約条件を取り払った新たなOSSサポート・メニュー「OSSプロフェッショナルサポートサービス」を開始した。サポート対象ソフトなどを限定した既存のサポート・メニューを補完する。価格(税込み)は下位メニューの「Silver」の場合で月契約時に31万5000円など。
SRA OSSの「OSSプロフェッショナルサポートサービス」は、同社が提供するOSS向け技術支援サービスの1つで、情報システム部門のように複数のシステムを構築・運用している現場の実態に合わせて、制約条件を緩くしたもの。企業が使う主要なOSSのすべてを一括してサポートするほか、OSSを導入したシステムの規模や数に関係なく一律でサポートする。契約期間は、年契約のほか、月契約が可能。
具体的なサポート対象のOSSは、Linux(CentOS)を含めた主要ミドルウエア全33種類。サーバー仮想化ソフト、Webアプリケーション・サーバー、データベース、メール/DNS、LDAP、ファイル共有、運用監視、など各種分野の著名ソフト一式をカバーする。
従来、同社が提供してきたOSSサポート・サービスは、サポート対象のソフトウエアごとに個別のメニュー体系となっており、すべてのソフトウエアを一括してサポートすることを狙ったメニューは無かった。
また、課金単位はOSSを導入するサーバー機の台数やCPU数によって細かく設定していた。今回、これらの制約を取り払った新メニューを追加して選択肢を広げ、より中規模~大規模の組織で利用しやすくした。
なお、SRA OSSのOSSサポート事業は、累積で1000契約以上、契約中のユーザーが300契約程度で、サポート更新率は80%以上という。サポート対象のOSSは、データベースのPostgreSQLが85%を占めている。今後はPostgreSQLだけでなくOSS全般のサポート・サービス規模を拡大する意向。「2011年内に、PostgreSQL以外の売上(現状で15%)を倍増させる」(SRA OSS日本支社長の石井達夫氏)。
インシデント数と担当者数で料金が決まる
OSSプロフェッショナルサポートサービスのメニューは3つある。提供サービス内容は、ヘルプデスクと障害対応をセットにした「プロ」メニューが2種類、障害対応を省いた「エントリ」メニューが1種類、である。利用料金は、障害対応の有無のほかに、解決を図りたい問題(インシデント)の数と、SRA OSSに質問してサポートを受けられる担当者の数で決まる。
- 「プロ(Gold)」は、質問担当者数が10人まで。インシデント数は年契約で年間100件、月契約で月間10件。価格(税込み)は、年契約が525万円、月契約が52万5000円。
- 「プロ(Silver)」は、質問担当者数が4人まで。インシデント数は年契約で年間50件、月契約で月間5件。価格(税込み)は、年契約が315万円、月契約が31万5000円。
- 「エントリ」は、質問担当者数が4人まで。年契約に限る。インシデント数は年間100件。価格(税込み)は、年契約で105万円。
サポート対象OSSは33種類
サポート対象OSS全33種類の詳細は、以下の通り(関連情報: SRA OSSによるサービス紹介ページ)。なお、対象プラットフォーム(Linux OS)は、Red Hat Enterprise Linux 5.0以降およびCentOS 5.0以降。
- CentOS 5/6(x86、x64)
- Xen(RHEL 5、CentOS 5)
- KVM(RHEL 5.5、CentOS 5.5以降)
- Heartbeat 2.1.x/3.0 / Pacemaker 1.x
- DRBD 8.0以降
- Apache 2.2以降
- Tomcat 5.5 以降
- PostgreSQL 8.2以降 / PowerGres V5以降
- pgpool-II 3.0以降
- Slony-I 1.2以降
- SQLite 3.6以降
- memcached 1.2以降
- Kyoto Cabinet 1.2.50以降
- Kyoto Tycoon 0.9.40以降
- Hadoop 0.20.0以降
- Pound 2.2以降
- Postfix 2.1以降
- sendmail 8.13以降
- qmail 1.03以降
- Dovecot 1.0.0以降
- UW-IMAP 2004e以降
- Courier-IMAP 4.1以降
- Qpopper 3.0以降
- Samba 3.0以降
- OpenLDAP 2.3以降
- OpenAM 9.5以降
- Bind 9以降
- ProFTPD 1.3以降
- vsftpd 2.0以降
- Squid 2.6以降
- Zabbix 1.6以降
- Hinemos 3.2以降