社内でトライ&エラーできるDWHと 体系だったビッグデータマネジメントを データ量やトランザクション量、データベースサーバ数は増える一方なのにシステム管理者の数は横ばいのまま。ならば管理者の負担を減らすためにシステムの統合化と自動化によるデータ管理の効率化は欠かせないプロセスだと日本オラクルの人見尊志氏は言う。そしてオラクルは2つの側面からそのソリューションを支援するとしている。1つはDWH、もう1つがビッグデータマネジメントだ。
データの増大と共に、トランザクション量やDBサーバーの数も増えているにもかかわらず、データを扱うシステム管理者の数は10年前とほとんど変わっていない。「実はITコストを押し上げている要因の1つが保持すべきデータ量の増加、インタフェースの増大などにあるのだが、システム管理者不足も重なって、もはや企業のIT担当者にはデータがどのような形で存在しているのか、まったく見えていない」こう指摘するのは日本オラクルの人見 尊志氏だ。
Oracle Exadataで生データを高速に分析
製品事業統括 製品戦略統括本部
テクノロジー製品推進本部
本部長
人見 尊志 氏
こうした背景から、データを整理/統合し、管理できるシステムを作りたいという需要が確実に高まっている。同社が調査した結果、多くの顧客は部署ごとにまちまちな実装ではなく、全社レベルでのデータ統合を望んでいるという。その一方で、膨大なデータから新たな洞察を導き出し、ビジネスに活用したいという要望も強い。オラクルはこうした要望に対し2つの解を提示する。
データ統合については「社内でのトライ&エラーを可能にする情報活用基盤の構築」を勧める。「Oracle Exadataを活用することで、DWHに必要とされていたETL処理を削減し、生データを見ながらの高速な分析が可能になる。必要なデータ設計ができているならば、そこにクエリをかけるだけでいい。切り出しのためのETLは不要なのでコストも削減できる。最終型のきれいなデータではないかもしれないが、生データを使ってどんどん分析していくことでレポートの鮮度が高まり、DWHの利用が促進される」(人見氏)
Exadataを活用したデータベース統合事例として、北陸コカ・コーラの例が紹介された。複数のDWHやOLTPをExadataに統合し、大幅なコスト削減と処理能力向上を実現。DWHとOLTPを分離しないというExadataの特徴が活かされた事例といえる。
ビッグデータの特性を考慮しソリューションを用意
もう1つはビッグデータマネジメントにおけるアプローチだ。オラクルは大量のデータから、「ビジネス価値の高い規則性、関連性を見出す」ことをビッグデータ戦略の主眼に置き、それに沿ったソリューションを数多く提供している。
同社はビッグデータのライフサイクルを「取得」「体系化」「分析」「意思決定」の4つのフェーズに分けている。そしてデータの種類によって必要とする技術やスキルを分類。例えば、Oracle Data-baseではLOBや外部表で非構造化データを扱う事ができる。またKVS型のDBとしてOracle NoSQL Databaseを用意。非構造化データを構造化して格納し既存データと併せて活用したい場合には、Oracle Loader for HadoopでHadoopからOracle Databaseにロードして、体系化・分析を行う、といった具合だ。そしてすべてのプロセスにおいてビッグデータマネジメントを可能にするアプライアンス「Oracle Big Data Appli-ance」も提供している。
人見氏は「これからは非構造化データの扱いがビジネスを左右することになる」と指摘。ビッグデータの大半を占めると言われる非構造化データをいかに効率的に扱い、分析できるかが競合との差別化を図る上で重要なポイントになるとみている。
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