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【ユーザー対談】フロー、ルール、データ─ 3つに分けて考える業務プロセス改革のためのBPM構築術

複雑なアウトソーシング業務のシンプル化を推進する三菱総研DCSの着眼点

2012年5月30日(水)

企業のIT基盤のコンサルティング、設計・開発から運用・処理に至るアウトソーシングサービスをトータルに手がける三菱総研DCS。同社は、このBPO(Business Process Outsourcing)ビジネスを拡大するなかで業務プロセス改革に着手し、JBoss製品群を基盤とするBPM(Business Process Management)システムの構築を進めた。三菱総研DCSと、BPMシステムの構築を支援したレッドハット双方の担当者に、BPM導入を効果的に進めるための考え方について話していただいた。

ビジネスの原点に戻って業務プロセス改革に着手

長見 雄史 氏 三菱総研DCS株式会社
技術推進事業本部
技術企画統括部長
長見 雄史 氏

長見:最初に、当社、三菱総研DCSがBPMシステムを導入したきっかけからお話ししましょう。当社では、事業の一つの柱として、顧客企業から情報処理の運用を受託する「BPO事業」を展開してきました。ところが、この事業を拡大していくなかで、さまざまな課題に直面することになったのです。

それは、BPO業務のなかで作業者の役割が重複してしまったり、クレジットや給与計算といった業務ごとに担当者を置いていたことで作業のバラつきや属人化が目立つようになったりするというものでした。そこで、業務プロセス改革に取り組むことで、アウトソーサーとしてのレベルアップを図ることとなったわけです。

高藤:業務プロセス改革を進めるに際しては、まず現行の我々の業務プロセスを可視化することから始めました。既存のプロセスありきではなくて、当社のビジネスの本質とは何かというところにまで立ち返り、BPR(Business Process Reengineering)に取り組んだわけです。

そこで、新しい業務プロセスをどのようにしてITで実装するかという課題へとつながっていき、プロプライエタリのBPMツールのような制限がなく、我々の考える業務プロセスに自由に適合できるオープンソースのJBossを導入することを決断したのです。

業務プロセスを構成する3つの要素を切り分ける

高藤 康孝 氏 三菱総研DCS株式会社
技術推進事業本部 技術企画統括部 副部長 兼 企画グループ課長
高藤 康孝 氏

岡下:レッドハットでは、業務プロセスは、業務の流れを表す「フロー」と業務に沿った決まりごとの「ルール」、業務に必要な情報である「データ」の3つから成り立っていると考えています。なかでも、ビジネスの状況に合わせて変更する要素の多いルールをうまく活用することが重要だと見ています。

しかし現状では、これらの3つの要素のうち、特にフローとルールが明確に区別されていないことが多いようです。フローとルールをわけて考えるには、変化の激しいところはルールで、変化の緩いところはフローでという形で定義することが考えられますが、貴社の業務プロセス改革では、このあたりどう取り組まれましたか。

高藤:業務プロセスをシンプルにすることを目指しましたが、初期の段階で、すぐにシンプル化できたわけではありませんでした。

業務プロセスをAs-Is(現状)モデルで見ると、複雑にフローが入り交じって網の目状態となっていました。さまざまな業務が追加され続け、それぞれの業務が独自の考え方によって作られていたり、複数箇所に変更が組み込まれていたりしたのです。そこで、プロセスを整理するだけではなく、業務そのものを見直そうと考えました。

それでも最初のうちはなかなか整理が進みませんでしたが、試行錯誤を繰り返しながら極力プロセスの中の無駄や重複する部分を排除していきました。例えば、同じ帳票であっても名称だけが異なるというものが存在していました。

最終的にはかなりシンプルなプロセスにまで落とし込めたのではないかと自負しています。若干無理やりな部分もあったかもしれませんが、新しいやり方に合わせるという強い意志を持って変えていくのも大事だと考えています。

長見:今回、業務プロセスを見直していくなかで、フローとデータについてはうまく切り分けができたと思います。作業のチェックリストや作業オーダー指示書、業務マニュアルなどのコンテンツをプロセスに紐づけて呼び出せるようにECM(Enterprise Content Management)での統合管理も実現しています。

一方、フローとルールはまだ密に結合しているところが残ってしまっていますね。今回は事務系のBPOサービスにBPMを導入したわけですが、これから他のBPOサービスにも適用していくなかで、フローとルールが密結合している状態だと弊害が出る恐れがあります。そのため、「JBoss Enterprise Business Rules Management System(BRMS)」を利用してルールを切り出していくことが次の課題です。

ビジネスルール管理ソリューションの新バージョン
「JBoss Enterprise BRMS 5.3」の特徴とは?

「JBoss Enterprise BRMS 5.3」は、ビジネスルールの実行エンジン、BPMN(Business Process Modeling Notation)2.0標準に対応したBPM実行エンジン、ルールとプロセスの管理が三位一体化したソリューション製品である。同製品は、次のような特徴を持つ。

  • 高度な意思決定を支援するビジネスルールエンジンを搭載
  • BPMN2に対応したBPMシステム基盤を提供
  • ルールやBPMの開発やデザイン、管理、可視化にWebツールを提供
  • CEP(Complex Event Processing:複合イベント処理)に対応

BRMSは、超高速開発を実現するソリューションとして注目されている。この超高速開発とは、プログラムコードの最適化だけではなく、ビジネス要件の変化に如何に早く追従できるということを意味している。同製品は、ビジネスルールの実行と管理に加え、BPMとビジネスルールの融合、CEPを利用した最適解の発見にビジネスルールを活用できる唯一のソリューションであり、BPMやCEPを活用したシステムに超高速開発と変化対応力を提供する。

JBoss Enterprise BRMS 5.3

BPMの成功に欠かせない
トップダウンの意思決定

岡下 浩明 氏 レッドハット株式会社
JBoss事業本部
JBoss事業部長
岡下 浩明 氏

梅野:業務プロセスからフローとルールを切り出す際には、岡下が述べた変化の激しさに従うことと合わせて、粒度の細かいものはルールとしてしまう方法も効果的です。こうすれば、次第にプロセスをシンプルにしていくことができます。

岡下:それと、流れを管理すべきものはフローに、特に管理する必要のない要件はルールやデータに落とせるのではないかとも考えています。

長見:我々もまだできていないのですが、BPOサービスの業務のなかでも季節的に特定の処理を入れる必要がある場合があって、そういうところはルールによる判断で呼び出すような変動要素の高い定型処理として切り出すべきかと思っています。一方で、大きな流れでルーチン的にまわすような業務は管理すべきフローと定義するといったように、ルールとフローを切り分けていくのが大事だと考えています。

高藤:あとは、プロセスオーナーを設けているので、彼らが定型化したプロセスか、状況判断により選択するプロセスを変更すべきかをチェックするようにします。ITを管轄する我々は、彼らとよく議論しながらルールとして切り出すべきところと切り出すべきでないところを見極めていかねばならないでしょう。

梅野 昌彦 氏 レッドハット株式会社
JBossサービス事業部
ミドルウェアソリューショングループ
シニアソリューションアーキテクト
梅野 昌彦 氏

梅野:業務側の視点とIT側の視点の両方で見ていくというのは業務プロセス改革ではとても重要ですよね。その場合、両方の意見を吸収する役割がどうしても必要になります。

長見:当社の場合、最初は業務部門のトップに位置する者を独立したチームのプロジェクトマネージャーとして第三者的位置付けに据えました。

梅野:それがベストプラクティスでしょうね。

長見:そうでしょうね。やはりトップダウンのミッションで活動しますので、否が応にも意識が高まりますから。

梅野:BPMを成功させるためには、トップの決断とBPRというフェーズは欠かせません。組織を整えたうえで、ITのモデルと実際のモデルとの間のギャップを埋める必要があります。

岡下:私の理想とするイメージは、定型化された小さな業務プロセスが次の業務プロセスを呼び出す際に、常にデシジョンサービスのようなところに問い合わせ、最適な業務プロセスを動的に決定付け呼び出すモデルです。このデシジョンサービスは、日常業務で上司に承認や判断を仰ぐようなものであり、ルールの塊だと思います。BPMは、ルールドリブンが本来の姿だと考えています。

当社は、このようなモデルを実現できるプロダクトも提供し始めていますから、貴社でもぜひ進めてほしいですね。

長見:そこはレッドハット様の支援を受けないと難しいところもあるので、ぜひ一緒にお願いします。

岡下:当社では、課題に対する最適なソリューションを発見するために、ディスカバリーワークショップを提供しています。もちろん、できる限り支援させてください。

問い合わせ先

レッドハット株式会社
セールスオペレーションセンター(SOC)

TEL:0120-266-086(携帯電話からは 03-5798-8510)

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