クラウドを使った電子政府・電子自治体の実現を目指してきた任意団体のオープンガバメントクラウド・コンソーシアムは2013年4月22日、一般社団法人化を図ると同時に、名称を「オープンガバメント・コンソーシアム(OGC)」に変更したと発表した。
会見に同席した会津若松市の室井照平市長は、「オープンでシチズンセントリックな市になるために、市役所内に所内横断組織を作ったところだ。会津若松市をIT産業の集積地にする日本版シリコンバレー構想にも再挑戦する。OGCの活動の中で、会津若松市に新しい都市モデルを作り出してほしい」と要望した。
こうした声にこたえる形で、データ・アナリティクス人材など育成にも取り組む。中村代表理事は、「日本ではアナリティクス分野の人材が不足しており、このままではインドや中国などに外注しなければならないという事態にもなりかねない。社会基盤のクラウド化に取り組む過程では、プログラマや基盤技術者の数は減るかもしれないが、アナリティクスやセキュリティの技術者ニーズは増える。IT業界のステージが変わる」と話す。
須藤会長も、「社会基盤におけるICTの役割は、各種の統合を可能にするツールとして横串を刺すことにある。従来、IT業界はベンダー単位の囲い込みに力を入れており、データを使いこなすという発想を持てなかった。OGCの目指すところはIT業界の再生にもつながるはずだ」と強調した。
OGCはこれまで、クラウド基盤の標準化やセキュリティ、データセンターの実装定義、クラウド時代の高度IT人材の育成、および地域IT産業の活性化などに取り組んできた。このうち、クラウドと家庭内のエネルギー管理システムであるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を結ぶAPIについて仕様を公開している。