システム担当者にとって、ソフトウェアのサポート切れは頭の痛い問題だ。安定稼働するシステムへの追加投資を、経営層にどう納得してもらうか。昭和シェル石油は、ダウンサイジングによるコスト削減と、事業継続強化を組み合わせ、難題を乗り切った。プロジェクトを牽引した2人に話を聞いた。(文中敬称略) 聞き手:本誌編集長 川上 潤司 Photo:陶山 勉
バージョンアップのコスト増をダウンサイジングで相殺
――基幹システムを刷新されたと聞きました。まずは、プロジェクトの概要を教えて下さい。

昭和シェル石油
グループファンクションズ情報企画室長
久保 知裕 氏
グループファンクションズ情報企画室長
久保 知裕 氏
久保: SAP ERPを、4.6Cから6.0にバージョンアップしました。周辺システムも新システムに合わせて、手を加えています。具体的には、データインタフェースのハブになっているEAIや、請求書をユーザーに公開するためのWebシステム、インターネットで受注するためのアプリケーションなどです。インフラもUNIXサーバーから仮想インフラに変更しました。
プロジェクトの予算をとったのが、2012年の4月。翌5月にプロジェクトを立ち上げ、準備期間を経て、発注したのが7月でした。2013年7月中旬に、移行を済ませました。
――どんな背景があったのでしょう?
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