日本取引所グループの日本証券クリアリング機構は、OTCデリバティブ清算システムを刷新。ハードウェア環境を強化する。製品を導入する日本IBMが2014年5月27日に発表した。
近年、証券取引所を通さずに証券会社の店頭で金融派生商品を取引する「OTC(Over The Counter)デリバティブ取引」が急増している。これに伴い、債務引き受けなどの業務を担うOTCデリバティブ清算システムにI/Oボトルネックが生じ、リスク分析処理に時間がかかるといった問題が顕在化していた。そこで、フラッシュストレージを導入する決断を下した。
「IBM FlashSystem 840」を採用する。事前に実施した性能検証によると、現行システムに比べて、バッチ処理を6~10倍高速化できる。さらに、これまで数分かかっていたトレード2000件のリスク計算処理により発生する約20万レコードの書き込み処理を0.5秒未満で完了できるという。
ストレージの仮想化も図る。他社製である現行ストレージの継続利用や、セカンダリサイトとのデータ同期を実現するためだ。
OTCデリバティブ取引に参加する金融機関向けのテスト環境も強化する。ブック型モジュールを交換することでプロセサやI/Oストレージを拡張できるラックマウント・サーバーを導入。取引件数のさらなる増大に備える。
【プロジェクトの概要】 | |
ユーザー名 | 日本証券クリアリング機構 |
業種 | 証券取引清算機関 |
導入システム | OTCデリバティブ清算システム |
導入目的 | パフォーマンス向上 |
導入時期 | - |
主な利用製品 | 「IBM FlashSystem 840」(ストレージ)、「IBM System x3850 X6」(ラックマウント・サーバー) |