日本航空株式会社(JAL)と野村総合研究所(NRI)はスマートウォッチとiBeaconを活用した実証実験を2014年7月16日から約一ヶ月に渡り行った。その様子を前後編に分けてレポートする。後編では、実証実験の模様を開発を担当した野村総合研究所の幸田敏宏氏に聞いた。
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イノベーション事業グループ
上級テクニカルエンジニア 幸田敏宏氏
前編では、実証実験の指揮をとったJALの高橋氏に話を聞いた(JAL×iBeacon×スマートウォッチ、羽田空港での実証実験の狙いと成果)。後編では、フォトレポート形式で実証実験の様子を紹介しよう。案内役は、開発を担当したNRIの幸田氏。普段、目に触れない空港の裏側が見られるとあって期待が膨らむ。
まず、案内されたのがサテライトオフィス。空港内の4カ所に設置されており、運行状況を確認し、周辺エリアのスタッフを管理する司令室だ。小さな部屋(失礼)に大勢のスタッフがひしめき、机の上にはスタッフへの指示を記載したメモが所狭しと並ぶ。メモの撮影は禁止。ただ、見慣れない記号が並び、まるで暗号のようだった。
こちらは、今回の実証実験で使ったディスプレイ。空港内の簡易地図を表示している。地図上の数字はゲート番号、黄色の枠で表示されている名前はiBeaconで検知したスタッフだ。今、どのゲートに誰がいるのかが一目でわかる。
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予定時刻を過ぎても指示場所に到着していないスタッフの名前は赤く表示する。管理者は、この画面からスタッフに指示を出せる。個別のスタッフに連絡することも、ゲート近辺のスタッフ全員に連絡することも可能だ。UIは非常に洗練されている。
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スタッフが移動すると、黄色の枠も動く。「先ほどまで9番ゲートにいた野尻さんが、10番ゲートに移動しました。名前の表示が赤から黄色に戻りました。三浦さんが所定のゲートに到着したことが分かります。こんな風に可視化するとわかりやすいですよね。配置の指示ミスなども減らせるのではないかと考えています」(幸田氏)。
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