スペイン・バルセロナの教会堂サグラダ・ファミリアが、教会堂の情報システム中枢として、高い可搬性・カスタマイズ性が特徴のプレハブデータセンターを導入した。2015年3月5日、技術・製品を提供し竣工を担当した仏シュナイダーエレクトリックが発表した内容から、この壮大なプロジェクトのポイントを見ていく。
IT基盤を整え、より高度なIT活用を目指す
プレハブデータセンター(Prefabricated Data Center。シュナイダーエレクトリックの呼称はプリファブデータセンター。また、コンテナ型データセンター、モジュール型データセンターとも呼ぶ)は、ラック、UPS、配電機器、空調機器、DCIMアプリケーションがプリインストールされた「モジュール」として、すぐに設置できる状態で納入される。可用性、信頼性、敏捷性を特徴とし、モジュールの筐体は耐久性とセキュリティを考慮して設計されている。
また、データセンターモジュールやプレハブ内のインフラ機器を移動式として運用するため、電気的・機械的な切り離しも容易にできる構造になっている。
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プレハブデータセンターを基盤・起点に、サグラダ・ファミリアは、教会堂のセキュリティと観光客の利便性向上を目的とした、より高度なIT活用の構想を描いている。年間約3百万人の訪問者で混雑するスーパー名所であることから、とりわけ、現場のセキュリティを維持することはサグラダ・ファミリアにとって最優先事項となっている。
加えて、観光客向けのデジタルチケットや認証、入場ゲートなどの新しいシステムに対応するためにITキャパシティを増加させる計画が浮上している。シュナイダーエレクトリックによると、同社は、サグラダ・ファミリアのプレハブデータセンターの周辺に設置された250個以上の監視カメラを制御し、事業用のメール基盤とその他企業アプリケーション向けにITサポートシステムも提供する予定だという。
「ユネスコ世界遺産と仕事をする栄誉を得て、サグラダ・ファミリアの複雑な環境に適するだけでなく、建設途中から建設後にわたってこの名所を支援するために必要なセキュリティと機能を提供していく」(ブラウン氏)
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